1階の応接間
玄関をあがって受付を済ませ、まずは応接間。
何気ないけど、重厚な歴史を感じるドア。
あたたかみのあるクロス張りのソファ。セットの長椅子もあります。
キュートな唐獅子デザインのバックの襖絵は、この建物の施主であり最初の持ち主、染色の研究家であった鶴巻鶴一さんが手がけたもの。当時途絶えていた「ろうけつ染め」の技法を復活させてつくったものとか。
気持ちのいい大きな窓。
なぜかちぐはぐで無粋なブラインドは、戦後この建物がアメリカ軍に接収されたとき、取り付けられたらしい。
装飾を削ぎ落とすモダニズム建築には珍しく、装飾性のある灯り。
昔の洋館にはお馴染みの暖房機器、オイルヒーターが壁際に見える。
でも、もちろん基本の暖房は暖炉ですよね。
これは隣室だけど、貝を貼ったような見事なランプシェード。
ここでは、ちょっとした置き物や雑貨などもユニークだ。
狛犬のような、シーサーのような獅子が威嚇していた。
ピアノの上という上品スペースにふさわしい船の置き物。
テーブルの灰皿には、大きなカメレオン。
低くてシンプルな棚は、この建物を設計した本野精吾自身がデザインしたもの。彼の考えでは、インテリアも建築の一端を担う大切なものだった。わざわざ低い棚にしたのは、洋間であっても「床の間的要素」を取り入れるためらしい。