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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

階段三昧

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 洋風建築で、もっとも興味深いのは階段だ。

 今回は特に、手すりに注目。支柱のデザインや回り込んでいくときの作り込み、カーブのラインなど、見どころ満載だ。もちろんステップや踊り場の窓などのポイントも見逃せない。

 ではまず、ファーストステップ。

 手すりはこんな感じで始まる。支柱は算盤珠がつながっているような形だ。ドイツでモダニズムを学んだ本野さんこだわりのデザインなので、合理性や機能性を重視しているはずだ。つまり、強度や耐久性を重視した上でのデザインのはず。

 もともと本野さんは建築家とともにデザイナーでもあったので、シンプルをベストとするモダニズム建築ではあきたらず、機能美や合理的なデザインを追求したのでは。

 網代張りの凝った床からのファーストステップは、ゆったりとスペースを取っている。高さも他の段より緩やかにとってある。まだ登る勢いがついていない1段目は、人に優しい心遣いで上階へ誘うようだ。

 折り返し回り込む部分では、踊り場でこそないものの45度の角度で1段を設けている。一般的な螺旋状の階段よりは、よほど優しい。ステップ部分の面積も大きい上、内側の回り込む部分もゆとりをもたせ、踏み外すキケンを最小限に計算されているかのようだ。

 2階からみると、こんな風。回り込む2段の先にさらに直線で2、3段あり、そこから直角に回り込むため、今度は小さな踊り場がある。

 窓からは、たっぷりと光が差し込んでいる。

 2Fにたどり着いたところの、直角のカーブが美しい。

 さらに美しいのが、直角のカーブに上に向かうひねりを加えた、傾斜するこの部分。

 続く3Fへと階段は続く。

 単なる裸電球なのに、やさしくなつかしいセピアの光。

 3階で行き止まる手すりは、支柱のデザインが強調される。

 これをみるとどうしても、「ねらいまして〜は〜」*という算盤の先生の声が空耳で聴こえる。小学生の頃かよった算盤教室のトラウマ?(笑)

 磨りガラスとか曇りガラスって、いまでもありそうなのに、なぜか懐かしい気持ちになる。

 * 算盤の読み上げ算を始める時の先生のかけ声は、実は「願いまして〜は〜」が正しいんだけど、私の記憶のなかでは「狙いまして〜は〜」でインプットされている。高学年になると山本リンダのヒット曲「狙い撃ち」が、先生の声と同時に脳内BGMとして流れるので気が散ってしまい、たいてい答えを間違えるのだ。というトラウマなのかも?