県境を越えて
興聖寺を後にして、朽木のレジャー施設「グリーンパーク想い出の森」内のレストランで、イワナの唐揚げがついたランチ。その後は、お土産を物色する。美味しくて有名な「鯖寿司」は、さすがの大人気。
流行ものや人気商品を意地でも外してしまうことがあるという、子どもの頃からの私の天の邪鬼はここでも発揮され、真空パックのスモークした鯖と鯖のへしこ(スライス済み)をお買い上げ。これは、またここに来ることがあれば、絶対リピートしたいほど美味しかった。朽木の加工した鯖は、どんなかたちであれ美味しい事が判明する。さすがは鯖街道の要所。
実はこの辺でこの日の体力をけっこう消費していたので、後半はいつもの半分くらいの元気さでしのいだ。前日に前倒しの家事をしたりして仕事がたてこみ、睡眠時間が短かったためだ。
しかし、見知らぬあれこれを観る好奇心がエネルギーとなったのだろう。好奇心、あなどるなかれ。
再びバスに乗り、県境を越えて福井県に入る。
広大な駐車場でバスを降りる。大きな山が迎えてくれる。
最後の観光場所「熊川宿」。「伝統的建造物群保存地区」である。宿場町好きの私としては、楽しみにしていた場所でもある。
若狭から京都へ鯖を運ぶ道、通称「鯖街道」はいくつかのルートがあるが、そのなかで一番利用されたのが、小浜から熊川を経由して滋賀県の朽木を通り、京都の出町柳に至る「若狭街道」だ。
黄色いウインドブレイカーのボランティアガイドのおじさんが、「今朝から歯の具合が悪くて、しゃべりにくいんですわー」といいながらも、途切れる事無く案内してくださった。(具合が悪くなかったら、どんだけしゃべらはるんやろ?と、こっそり思った)
熊川宿は若狭と近江の国境にあるので、番所(関所)が設けられていた。「世界遺産」はムリけれど、「日本遺産」には登録されました、と自慢げなガイドのおじさん。
江戸時代の「番所」が再現されていた。おじさんは、人形一体の値段、捕り物の道具の値段など、詳細に「番所」再現の費用を教えてくださったが、感心するフリはすれど、右から左(汗)
捕り物の道具がひとつ、盗難にあったとか。
盗られる方は大損害だが、盗る方の目的って? 時代劇マニアか? 所帯持ちなら「こんなジャマになるもの!」って、奥さんに怒られるぞ。
というふうに、この道を終点まで歩く事になるのだ。