さすが近江商人の館。
ハイカラな主人は当然、当時最先端の扇風機を購入していた。
これくらいは当たり前だけど、こちらには驚いた。
織部焼きの煉瓦!? ステキ過ぎるじゃありませんか! 煉瓦があるなら、タイルだってできそう。織部焼きのタイルを品よく控えめに貼ったお風呂場とかトイレとか、見たい気もする。(ないけど)
焼き物だけでなくガラスだって。ステンドグラスや電灯の覆いや傘にも、うっとりする。金持ちなら趣味も良くなくっちゃ。
とっておきのお宝が、表にまとめてあった↓ 歴史的価値ありすぎ。正倉院御物と同じ薬石って!
太平洋戦争の企画展。学芸員さんの手腕が発揮され、リアルな物の発する力が、存分に発揮されていた。「ポケット日の丸」という旗は、当時なんて呼ばれていたんだろう。「ケータイ」とか?
祭の「ほいのぼり」が飾られた階段の佇まいも、階段の木材のよさが際立っているので、シンプルなのに存在感がすごい。明かり取りの丸窓もアクセント。
下段の階段の張り出した入れ方と角のアールの美しさは、ただごとでない。
電話室の前の時計も、いまとなっては貴重なアンティーク。
帰りに獅子舞に向かって柏手を打つと、笛やカネなどのBGMとともにお獅子が踊り出して、帰途の無事を祈ってくれる。H氏は事前にこのからくりに気づいていたけれど、私は驚いて、しばし呆然としてしまった。
ラストまでホスピタリティの行き届いた、近江商人の鑑というべき館だった。