障子を張替える。
実家にいた20代の頃は、大掃除の一環として、破れたり変色しだした障子を替えていた。
結婚したあとも、おじいちゃんがいた頃は、そんな慌ただしく寒い時期に焦りながら張替えたことがあった。
たしかに、真新しい障子で新年を迎えるのは清々しい。でも年末に張替える仕事はどうなんだろう。
障子貼りをするには、それなりに広いスペースが必要になる。障子を寝かせて貼ることになるからだ。うちではそれは座敷にあたる。座敷には冷暖房は入らない。したがって、寒い作業になる。
それにまず古い障子紙をはずして、桟を洗って乾かさなければならない。障子を貼ったあと、糊を乾かすという作業もある。
どう考えても障子の張り替えは年末じゃない方が、合理的なのではないか?
と、2年前に考えて、5月に障子を張替えた。けっこうな数の障子を張替えたり、障子がはずせなくなっていた箇所は修繕したりした。でもなぜか1枚だけ貼り残してしまった。
奮発して模様入りの障子紙を買って、ついにラスト1枚を貼り替えた。3日に古い紙を外し、4日に新しい紙を貼って完成したのだ。
この障子紙は、たぶんもはや紙というものではなく、片面はつるりとしていて堅く、簡単にシワになったりよれたり糊のシミが滲んだりしない。おかげできちんと寸法が計れていて、まっすぐにさえ桟に合わせてあれば、コロコロ転がすだけで、ビシッと貼れるという優れものだったのである。
きれいに貼れた障子をみるのは、たいへんにうれしいものである。あまりにうれしいので見せびらかしたりした(笑)
そんなとき、ふと見つけてしまった。仏間の変色した、この30年は替えたことの無いだろう窓の障子を。
ラスト1枚だと思ったら、それを貼りおえたと思ったら、窓の大きさで小さめとはいえ、あと2枚残っていたとは。
しかし、勢いの有るうちにと、今日は紙を外す所までして、残りは明日に持ち越しだ。