水明の間
「有職織装束/顕文紗撫子丸文」という装束をみたり、
琵琶が展示してある薄暗い「琵琶の間」を通過する。ここは立礼式の呈茶を行ったり、随行者が来賓を待つ待合室として利用されるそうだ。しかし「琵琶の間」は撮影禁止。
掛け軸の掛かった京錆土の土壁の床の間には、中央に神楽鈴がきちんとふたつ置かれている。部屋の名前にもなっている琵琶は、「琵琶床」というらしい右の一段高くなっている場所に置かれていた。「楽琵琶」という種類の琵琶だそうだ。
「琵琶の間」担当のスタッフさんに琵琶の種類を質問したのだけど、ご存知なかったので、パンフレットをみたらちゃんと書いてあった。マイナス3点!
なんと建物内には池に続く、和船の船着き場があった!
この近くには「アゼルバイジャン共和国 アサドブ共和国議会議長らの鯉の餌やりのご様子(H27年4月)」とか「ブータン王国ジグミ・ケサル国王陛下および王妃陛下御乗船のご様子(H23年11月)などの写真がパネルにしてあった。
海外からのVIPなお客様たちは、ちょっと童心にかえられたかのような雰囲気もあり、和舟は国際交流に大活躍である。もちろんハッピを着た船頭さん付きである。
さて開館10周年を記念し、首脳会談が行われる会談室「水明の間」が、今回初めて公開された。
水明の間では、2005年の小泉純一郎首相とブッシュ米大統領(いずれも当時)をはじめ、さまざまな会談が行われてきた。船底を模した天井で、吉野杉と美濃和紙によるオブジェをつるしている。
床はさざ波をイメージした模様が施されている。着物などに使われている「青海波」だ。
もちろん私たちはVIPではないので、水明の間には入ることができない。外側から遠目で見るのである。それでも見られるだけありがたい、ということなのだ。ということで、見学者は、この天井のラインのしただ。
そのかわりといってはなんだが、入って右側の襖は見放題だ(笑)
「水明の間」だけに、水の流れるさまがメインの模様になっている。もちろん、枠も把手も漆黒に輝く漆塗り。
端々には、桜や紅葉の模様が規則正しく入っている。
突き当たりの障子を開ければ、雅びな錦鯉の泳ぐ池や対岸の松や柳が、心和ませてくれる。