名古屋を路上観察。
バスはそこそこ観光客が乗っていたのだが、私が下車する手前の「徳川美術館」でどっと降りられた。ここが名古屋観光のメインなのだろう。
メインにも関わらず、私は行った事が無い。かろうじて、名古屋城(当時の面影を偲びたい歴史ファンには不評かもしれないが、子ども連れにはサービス精神とホスピタリティのある楽しいお城だった)と水族館には行っている。そもそも名古屋自体にそれほど行ったことはなく、アイム・ストレンジャー・ヒアーなのだ。
私が降りたのは「文化のみち 二葉館前」だった。その停留所になっている「文化の道」のメインそうな「二葉館」ですら、次点の物件だ。なんとなく勘でしかないのだけど、私の中の「文化のみち」のメインは橦木館(しゅもくかん)。
ええと、どこやろ? と、いい加減に歩き出す。そして結果的には、目的地からはずれていったのだが。
お約束の名古屋城とシャチホコの地元名物デザインの消火栓のフタ。
ところがこのマンホールのフタが意味不明。なんだろう? アメンボ?
帰宅後調べてみたら、アメンボは単なる名古屋市上下水道局のイメージキャラクターだった。マンホールにつきものの「郷土自慢要素」じゃないのが、逆に新鮮。
自転車で配達中の郵便局のオジさんを呼び止め、橦木館への道を聞く。親切に教えてくださったオジさんの、ネイティブ名古屋弁にメロメロ。いつからか方言フェチになったらしい、と自覚を新たにする。地元の人と話したい気持ちって、ここから来ているのかも。「家族に乾杯」だけじゃなくて、地元のひとと言葉を交わすのは、観光地を巡るのと同じくらい、旅の醍醐味だ。
そしてこの先、テンションをあげる物件に偶然遭遇。迷子になってみるものである。こちら↓
築100年ばかりの長屋である。そう張り紙がしてあった。自分で「長屋です」という建物をみたのは初めて。つまり意識して「長屋」というものを見たのが初めてなのだ。
なかなか骨太で反抗的態度の住人がいるらしく、それが長屋という物件に似合っていて面白い。電線のゆるい感じもほのぼのする。
「文化のみち」らしきところに入ると、こんな物件に遭遇する。
長屋とは逆のベクトルの物件だけど、こういうのも楽しい。
夜に灯りが入ったら、また別の趣があるのかも。
ちょっと遠回りしたけど、橦木館に到着。やれやれ。
私にとってはゴージャスすぎず、地味すぎず、ちょうどいい洋館だ。期待大。でもその前に、お昼ご飯にしようっと。橦木館内にカフェがあるから、そこで。一石二鳥なのだ。