豪商のお屋敷探検
9月6日には午後より、夫の同僚の方のおうち見学。
ん? おうち?
縁側からこんなお庭が見えるお宅を「おうち」?
さらに、こんな照明器具があるのに「おうち」?
もっと言えば、こんなに立派な古井戸のある邸宅を「おうち」?
こんな太い梁のある屋根裏の物置がある場所を「おうち」?
その上、こんな石畳が敷いてあるのに、「おうち」?
おまけに、こんな髪結いさんの絵が掛かっているのに「おうち」?
しつこい。
もういいだろう。ただの「おうち」でないことは、一目瞭然だ。夫の同僚のMさんご一家は、空家になっていた豪商の近江商人屋敷を買い取り、現在進行形でゆっくりとリフォームしながら住まわれているのだ。
夫の同僚だというMさんは世を忍ぶ仮の姿で、じつは秘密結社の一員だと夫にカミングアウトされた(笑) だから外観の家の全体像については内密に、ということで画像は流出できない。それでも内部のみならと、Mさんの許可が下りた。
H氏が提出してくれたMさんの資料によれば、リフォームにはすでに家屋購入の値段を越え、8桁単位のお金がつぎ込まれているらしい。つまり、新築した方が安いのである。しかも家主は共働きながら、サラリーマンなのだ。
リノベーションの苦労は金銭面だけではない。それ以上に困難を極めたのは、古民家を元と同じように復元出来る職人さんが見つからないのだ。さすが秘密結社の工作員、90近い、とうに引退した大工さんを頭にチームをつくり、和釘でつくるように、と指示を出したらしい。それでも、こっそり電気ドリルやネジを使った大工スタッフに対し、ソフトな物腰とはうらはらに、決して自らの意志を曲げないコダワリ者のMさんがどう対処したのか、私は恐ろしくて聞けなかった。
(次につづく)