京の夏のバス旅 2015
なんだかんだでバタバタしていた8月には、スルーしてしまった「京の夏の旅定期観光バス 京の名庭と建築の美をたずねて」のツアーに、1週間前に申し込んでやっと行くことができた。こんなドタバタ予定に付き合ってもらえるのは、やっぱり相棒、れんくさんだ。
しかも例年なら残暑が厳しい9月がなんとしたこと、すっかり秋めいて涼しくなっている(汗) 「夏の旅」とは名ばかりにならないか、実はヒヤヒヤした。
というのも、お昼ご飯は高雄の山奥で「川床」なのである。つまり避暑地で涼をとるという粋な趣向なのだ。せっかくの高雄の涼しさが、せっかくの川床のせせらぎが、鳥肌ものの気温になってしまい、魅力半減になってしまわないだろうか?
京の奥座敷で紅葉の名所「高雄」も、夏の醍醐味「川床」も初体験になるので、うまく想像できないでいた。
今回はバスツアーならではで、とびとび遠距離移動し、庭園などの緑を存分に愛でることができた。神社仏閣より、お庭や自然に親しんだ旅だったと言える。まず東山、次いで高雄、そして嵐山。こんなとびとびツアーは個人では無理である。絶対に企画すらしないだろう。
当日は雨上がりの快晴で、さわやかなお天気だった。そして期待できる、ほどよい暑さだ。よしよしよーし!
京都駅前で観光バスに乗り込み、資料をいただき、出発。東本願寺、五条大橋、牛若丸と弁慶の石像、平安神宮の大鳥居などのバスガイドさんの案内を聞く。
ところで今回のバスガイドさんのお話は、滅法面白い。
有名な石川五右衛門が南禅時の三門で「絶景かな、絶景、かな〜〜!」と見得を切った!?という話がある。ところが石川五右衛門が処刑されるまでは、まだ南禅寺の三門は出来ていなかったらしい。つまり後世のフィクションなのである。
というような話を聞きつつ、南禅寺に到着。
バスを降りて南禅寺の境内にある塔頭・「大寧軒(だいねいけん)」へ。
大寧軒は、明治初期の廃仏毀釈により廃寺となってしまったが、近代以降は、茶道家元薮内家所有になっていた。近年、なんと100数十年ぶりに南禅寺の所有に戻ったのだ。臨済宗南禅寺派大本山。
萩の花がこぼれていた。
塔頭まではなかなか遠い。歩く歩く。道沿いの塀の中には、いろんなお寺が続く。
金地院や↓
東照宮など↓
どちらにもりっぱな庭園があるらしい。東山の寺院や別荘地には、琵琶湖疎水の豊富な水が引かれており、水の流れを使った庭園が沢山できているのだ。
もちろんこれから観る「大寧軒」もだ。やっと到着した。
明治末期に、茶道の家元・藪内11代家元・透月斎竹窓紹智によって作られたもので、飛び石の打ち方や苑路などに趣向を凝らした露地風の庭園となっている。なんと今回初公開だ。