宝厳院
次は同じく嵐山の宝厳院 本堂・書院(ほうごんいん ほんどう しょいん)だ。「巨岩と緑が織りなす庭園 数寄屋建築の美」という副題がついているので、メインはお庭と建物。
宝厳院は天龍寺の塔頭寺院。天龍寺、そういえば去年の梅雨頃行ったな。なつかしー。
宝厳院のお庭は、室町時代に作られた回遊式庭園で、「獅子吼(ししく)の庭」と呼ばれている。嵐山を借景にした、巨岩あり、一面の苔あり、楓ありの豊かな緑が美しい名庭園。
開山は室町時代で、もともとは上京区あたりに広大な敷地を持つ寺院だったらしい。応仁の乱により焼失するも再建。しかしその後も紆余曲折があり、転々としつつ平成14年に天龍寺の塔頭寺院跡に再興された。ということで、まっさらなお寺である。
田村能里子画伯筆の本堂障壁画「風河燦燦三三自在」がある。すべての襖絵がエキゾチックな朱色なので、度肝を抜かれる。田村レッドと呼ばれているとか。
ご本尊は十一面観世音菩薩像と脇を固める三十三体観音さま。
でも実はここのメインは書院の方。日本郵船の重役であった林民雄氏が別荘として建てた、大正期の数寄屋建築なのだ。こちらも特別公開。
大きく作られた窓から庭の眺めを楽しむことができる。
大正時代にこんな大きなガラス窓の書院をつくったなんて!
あまりの緑の美しさに、言葉も無く見とれてしまう。
このガラスは大正時代に作られたときのそのままのもの。ちょっと歪んで味が有る。よくも割れずに残っていてくれたものだ。
苔と岩、楓と水、それぞれが響き合っている。
欄間はカボチャ!?(笑) ハロウィンシーズンにはぴったり♡ お茶目だ。
と思ってたけど、やはりそんなことはなく、「香狭間桐」という透かし彫りの装飾的な刳(く)り形のデザインだった。
お庭に出て見る。
こちらも屋根であれこれ育成中。
酸素が濃い気がするくらいに、緑みどりしている。
時の長さを感じる苔むした岩。
みどりに浸る、という感じ。
年月の蓄積とともに緑に埋もれる幸せ。
山を借景に。
果てしなく続く、ふかふかの緑のじゅうたん。
まるで山の中のような、一日中居たいような、ちょっと不思議な場所。
出口に近づいて来ました。
宝厳院を出て、天龍寺境内へ。