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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

古田織部展へGO!

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 Kちゃんを駅に送ったその足で、佐川美術館へ。開催前から楽しみにしていた「古田織部展」を見るため、右手に琵琶湖を眺めつつ湖岸道路をひとっぱしり。20分くらいで到着した。

 これをみると、いつも「八丈島キョン」(@「がきデカ©山上たつひこ)を思い出すんだなあ。

 最初のお部屋で安土桃山時代のフリースタイルなあれこれを見る。異素材をパッチワークする大胆な小袖のデザインとか、ほんと凄い発想! 

(以下の写真は図録よりお借りしました)

ヘンな・・・もとい、斬新で歌舞いた兜も大好き♡。五鈷杵をもつ腕ごと取り付けるなんて!

 贅と技巧の全てをつくしたこんな漆器もあるし

 ペルシャ織りの陣羽織というアクロス・ザ・ユニバースな逸品も!

 これは素晴らしい導入部だ。安土桃山時代の空気をまず感じてからなら、(まんが「へうげもの」の愛読者以外の?)古田織部の世界への敷居はひくくなるはず。

 ↑これは織部の所持品だった砂張釣舟花生。エキゾチックでロマンチックなものもお好きだったみたい。彼は、これにムクゲの花を飾り、茶会にのぞんだとか。すてきだ。

 ↑志野茶碗、銘は小倉山。これは私の志野焼き好きを再確認させてくれた。

 ↑同じく志野茶碗、銘は野辺の垣。素朴なチェックがグッと来ますね。

 ↑これなんか、マジで欲しい!!と思いました。

 ↑欲しいといえば、この黄瀬戸の向付けなんかも、そうとう欲しかった(汗)

 ↑でも、やはり「笑えるもの」といえば、これね。焼締耳付花生で、銘は「聖」。こういうのは、ほのぼのします。あと、

 こういうのも、笑えるな。それで、心があたたまる。

 ↑黒織部◯△文茶碗。こういう◯△□という単純な形が入ると、我知らずよろよろと惹かれてしまうのは、なぜ? 

 ↑鉄絵具で描かれた唐津の、四方形向付け。くるっとした蕨の模様とか、ペンペンした草の模様とかを見ると、キュンキュンしてしまうんですよね(汗) 愛に理由はありません。

 ↑同じく鉄絵の唐津。このサギのかわいらしいことといったら!!

 もちろん、いかにも「織部」という蓋物は素晴らしかった。形も可愛いし、蓋をあけたときの色柄のバランスも絶妙だ。

 「へうげもの」としての織部以外にも、生命力のあるものを愛した織部の嗜好を強く感じた。だからあのひとに、ボーダレスアートを見せて上げたい気分になってしまった。あの奔放な、気持ちの趣くままのアートたちを。きっと鼻血出して喜びそう(笑) 絶対好きだとおもうよ。

 織部焼きの真骨頂は、作為無きデザインというか、天衣無縫な作為というか、ふいの思いつきというか、ゴーイングマイウェイなくらい自分が面白いと思った物を脇目もふらず追求する姿勢というか。だからそういう、おおらかで自由な空気が希薄な時代ほど、渦巻きのように人の心を吸い寄せてしまうものがあるのかもしれない。

 織部を師とした光悦、光悦をリスペクトする尾形乾山へとつながる系譜を、ふと垣間みた気がする展覧会。なんと2時間も滞在して、じっくりとことん古織を体感した♪

 ミュージアムショップには、マンガ『へうげもの』が全20巻平置きされていて、未読のもあったので食指は動いたけど、地元の書店で買うため、ガマンガマン!

 作家物の織部風器も数々置かれていたけれど、本物を見たあとだけに、落差が大き過ぎて、逆効果かも・・・(汗) 

 会場の場外では、古田織部と展示関連の器の関係を描いた場面のマンガ「へうげもの」のコマのパネルが! それをじっくりと見ながら展覧会の復習していたら、なんと盟友に声をかけられるという奇跡的遭遇もあり、最後まで充実していました。