「琳派」をみる。
ふと思い立って京都国立博物館へ。なんとなく今日行かなければ、行きそびれそうな気がして。
午前中は京博のツイッターの混雑状況案内をみると、どうもえらく待ち時間に費やすことになりそうなので、わざと時間を遅らせて、いつもより1時間半ほど遅く出立。これでご飯を食べて現地に付いたら1時ぐらいになる。
まずは京都駅の「SUVACO」でお昼ご飯。量は少なめで美味しいもの、といえば「はしたて」さんかなあ? でもジャストお昼時なので、順番待ち。その隣のイタリアンのお店で、限定15食のワンプレートランチが、高級感あるのに格安だったので、そちらに移動。パスタが少量とサラダ、小さなパテもケーキの小片もあり、いろんなものが少しずつ。食後のコーヒーもつき、味に変化があって大満足。おなかも適度にいっぱい。
展示品を見るために脚力を温存するため、以前のように「駅から歩いて」は控え、バスで京博まで行く。ホントは歩いて行く方が、和菓子屋さんを横目で見たり(たまにはお店に入って買ったり)や、七条大橋を渡る気分の良さなども捨てがたいのだけど、この日はバスで行ったのは大正解。
まずはチケット売り場で1年間有効のパスポートを購入。
明治古都館は、工事のため当分休館中。しばらくは企画展も、新しく出来た平成知新館で行われる。
平成知新館の入口を入ると、展示室に入るまで40分待ちの大行列。その間、読書タイムとして有効利用したけど、展示室に入る時には、すでにやや疲れ気味(汗) まずはエレベーターに乗り、3階からスタートだ。
時代を追って行く流れなので、琳派の祖と言われる本阿弥光悦関連の作品から。高村光雲作の光悦像、国宝の有名な「舟橋蒔絵硯箱」、黒楽茶碗「雨雲」など、いきなりドカンとビッグな物件が続く。光悦と同時代を生きた俵屋宗達につながっていくのだが、彼と光悦のコラボ「鶴下絵三十六歌仙巻絵」は圧巻。しかもこれは京博の所蔵品!
他にも2人のコラボは何点かある。そもそも光悦が宗達を見いだしたと言われているからね。
まずそのシステム。琳派は個人的に私淑するという形なのだ。たとえ同時代に生きていなくても、直接に弟子ではなくても、「リスペクトする」という形で受け継がれて行く流れがある。だから琳派は、それぞれに際立って個性的だ。
琳派を見るに先立って「古田織部」展をみたのも、光悦関連の歴史探訪ウォークをしたのも、その源流を感じられて、順番としてとてもよかった。
なにしろ琳派の源流は本阿弥光悦で、彼の師と仰ぐ人が古田織部だったから。古織の大胆でユーモラスな面や可愛らしさが時代が下るに従い、どんどん花開いて行くようにも思えた。
江戸時代後期の酒井抱一まで来ると、そのキレイで可憐な乙女ぶりにキュンキュンする(笑) ここから大正・昭和初期の乙女たちを熱中させたロマンチックで繊細な挿絵の数々へとつながって行くのかも。鈴木其一のパキッ、スキッとした構成や色使いも素晴らしい。
事前には全然知らなかったが、なんと本日より展示替えで「風神雷神図」が三ついっぺんに見られるようになったらしい。俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一それぞれが描いた「風神雷神図」である。競いあうというよりは、光琳のからは宗達への、抱一のからは光琳への、それぞれの敬愛が感じられて微笑ましい。
予期した以上に点数があり、3階、2階、1階と琳派のハシゴだ。絵画、書のほか、陶芸、漆芸、染色などの工芸品もおなかいっぱい見られます。(コチラの企画展のチラシで、展示品のごく一部が見られます)
大混雑のミュージアムショップで少しお買い物をして平成知新館を出たら、すでに陽は傾き始めて、写真を撮るにはいい感じの陰影が付いてきた。
さすがに3時半にもなれば、待ち時間ゼロだ(11月に入ってからは来館者が増えたようで、そうでもないみたいですが・汗)