湖東町へ
今回は珍しく迷子にならずに目的地までたどり着けた。
まずは湖東図書館で、かつて同僚だった方々に再会する。
今なら「無理、絶対!」と断言できるほど体力的にはハードな現場だったけど、素敵なキャラクターの方がたくさんいらして、仲よくさせていただけた楽しい職場だった。オープンの時間になると「あけま〜す!」と職員さんの元気な声が響き、それはまるで「船が出るぞ〜!」という船出の合図のようで、なんだかワクワクしたものだった。
睡眠時間もギリギリで運転中にうっかり瞬きをすると、そのまま昏睡しちゃいかねないくらいだったけど、ほぼ1日置きの勤務だったからなんとか続けられたのだ。その頃はおばあちゃんも、かろうじて一人で家にいられる状態だったし、H氏にとってもエポックメイキングな年だった。
あんなにハードな日々だったのに、大好きなひとたちが沢山いたから、きっと大切な想い出になっているのだろう。
さて湖東図書館から少し離れた場所にある「探検の殿堂」が、本日のメインの目的地。いろんな妖精さんたちの展示があるのだ。 ということで、徒歩で移動する。
たぶん南極観測船をかたどったと思われる建物だ。池を回り込んで目的地へ。
ベンチもある。
タロとジロのブロンズ像もある。
池の周りには桜の木も植えられていて、ライトアップできるように、地中に灯りが埋め込まれていた。季節がよければ格好のデートコースだが、生憎冷たい風が吹く季節には誰もいない。
誰もいないが、水鳥たちが大量にいた。
もちろん野生の鴨などだから、人間を警戒している。
私が近づくと、対岸近くへと移動していった。
「池に鴨」といえば、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のラスト近くで、セントラルパークの鴨たちのことを心配する主人公の事を思い出す。村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』のラストにも「池のカモ」について、ちょこっと書かれていたっけ。
そんな風に文学についてのふか〜い思索にふけって池沿いを歩いていたら、近づいて来た。