前田邸・和館
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
元・加賀藩主であり、明治になってからは侯爵となった前田家の前田利為(としなり)邸。いかにも武士らしく剛胆ですっきりとした佇まいだ。
そんな和のおうちなのに、灯りはコレ。やはり明治という時代の為せる業か。あ、調べてみたら、これは昭和初期の建物だった。
付け書院からも、お庭がかいま見える。
広縁からは、駒場野の自然林を背景に小さいながらも庭園が眺められる。
さすがは金沢のお殿様! お江戸に来てまでも、兼六園ばりの庭園をつくるとは! 兼六園を思い出させる灯籠がある上、まさか東京で小振りながらも雪吊りをみることになろうとは!
そして、このお屋敷で特筆すべきものは、あらゆる技術の粋(すい)を集めた欄間。数々の工芸品を産み育て、精緻なワザを持つ職人さんたちがいる街の気概を感じる。
おそるべし、金沢の工芸。そして職人技!
ということは、もしかしてこの釘隠しの表面も金なのか? 雪のモチーフがお洒落だ。
フリーなのは料金だけでなく、写真も撮り放題という太っ腹さ。
さて、もう文学館へ行かないと。
と、和館を後にする。
しかし私を誘惑すべく待ち受けていたのは、5分あれば見学出来る和館だけではなかったのだった。