庭園はダイナミック!
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
本坊への表門に到着。
屋根瓦が重々しい堂々たる門だ。
瓦の阿吽の狛犬?が、とってもいい♡
今風にいえば、「ブサカワ」というのだろうか。めったにお目にかかれないような、キュートな造形だ。
門をくぐって、
本坊の裏手の庭園へ。
この「池の中を石づたいに歩く」という発想が素晴らしい!
この庭は「東の山を借景に山腹を利用し、大きな池と変化に富む巨岩を配した豪華な池泉廻遊式ならびに観賞式の庭園」だそう。実は京都の庭園でよくある説明に「山を借景にして」というのがあるが、いまひとつ感動しなかった。
でも今回は、なにしろすぐそこが山なので迫力がまるで違う。迫る山のダイナミックさ、石組みの豪快さに、すっかり目も心も奪われた。
高低差を乗り切る脚力やバランス感覚に若干の不備があるので、飛び石を歩くのは多少の思い切りが必要だった。
が、好奇心にかられて思い切る(笑)
水面に移る景色も美しい。
鯉も優美に泳いでいる。
本坊の正面まで来たので、ちょっと休憩し、ひとりじめの景色を楽しんでいたら。
どんどん鯉が集まって来る!?
どうした? ハラペコちゃんたちなのか?? もはや「優美」というレベルではない。どちらかといえば、ヒッチコック映画の世界に近い(汗)
庫裏にあたる突き当たりの、築島のような地面のお庭まで、鯉から逃れるように行って、ほっとする。
エメレルド色に輝く苔と斜光が織りなす、美の世界だ。
半日陰の花も、しおらしく咲いていた。
コレを書いている今、調べていて知ったのだが、
「聖徳太子の願文に『一宿を経るの輩は必ず一浄土に生る』とありますが、これにちなんでこの庭も東の山には弥陀観音勢至の三尊をはじめ各菩薩に見たてて石を配しております。」と百済寺のサイトにあるではないか!
そういうことこそ、現地で「説明しよう!」と看板にしていただかなくては!
ということで、私は「ただの巨石」としての鑑賞したに過ぎなかった。まあ、寺院の石組みは阿弥陀三尊が基本といえば基本なんだから、探しておくべきだったのだけど。
また、「これらの巨石は旧本坊庭園とさらに百済寺山内の谷川から集められたものを組み合せて作庭されました。」とのことだ。すごいな、自前で集めたものなのか。
池畔の平らな石を「拝み石」、渓流の源に配された石を「不動石」と呼び、自然の谷川の水が石の間を渓流となって流れ、池に落ちるように造られているとのこと。
山の借景といい、山水を利用する池といい、いつまでいても飽きない庭園だった。庭園だけでも「見る価値あり」です。