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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

日本のはてで足止め!?

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 「お花見バス」は元来た道を戻るので、ふたたびマキノ駅から電車に乗れるのだけど、折り返し地点のJR永原駅にも停車する。そしてこちらで下車した方が、1時間早く帰れる。ポケット時刻表で確認したら、1時間に1本の電車に、乗れるか乗れないかという微妙な乗り換え時間だ。

 これはバクチだな。イチかバチか賭けて見るか。と、ギャンブラーの心がむくむくと湧き出てしまった。

 ということで、永原駅前で下車。

 ロッジ風のかわいい駅舎だ。同様の方々が10名いて、皆さんダッシュ無人改札をくぐる。

 ところが。なんらかのトラブルがあったようで、電車が来る気配がない。一応、電車が遅れているむねのアナウンスはあるのだけど、肝心な所が聞き取れず、どのくらい遅れているのかも不明だ。

 あきあきするほど待っても来ないので、改札近くでキップを販売しているオバサンに、状況を聞きにいくことにする。何人かはすでに下にいるようだし。

 エスカレーターもエレベーターもなく、おまけに通常の2倍の階段を降りて聞きに行ったら、「もう電車がきますよ」という返事と同時に、ホームに電車が入って来る気配が!!

 おいおいおいーっ!!(汗) と心の中で叫びながら、必死で階段を駆け上がり(自己イメージ。客観的にはヨタヨタとあがっていたはず)、やっとのことで、ホームにたどり着く。タッチの差で扉は閉まり、開閉ボタンを押すも、無情にも電車は出発し、女性車掌さんの気の毒そうな顔が、電車の最後尾の小窓から垣間見え通り過ぎる(悲) この悲劇に見舞われたのは、私を含め3名だ。

 ああ無情!! なんという不運!

 あと40分も、この世界の果てのような場所で待てというのか!

 ふたたび改札近くまで戻り、近くに喫茶店がないか、せめてなんらかのお店がないかを訊いて見るも、すべて「1キロ先になります」という済まなさそうな声が返って来た。

 ああ、無情!

 仕方が無い。せめて駅前をぶらりと散策。

 マンホールは西浅井町の町章である「西」を全面にデザインしてある。鳥は町の鳥でウグイス。左右のバラっぽい花は、町の花の山茶花、中央のは町の木であるツツジ。現在は合併して「長浜市」になった。

 理容店には、お馴染みの三色のサインポール以外に、オレンジのものも!

 しかし・・・まてよ、そういえば私はまだお昼ご飯を済ませていなかった。マキノの、どこか景色のいい場所で食べようと考え、安曇川の道の駅で、鯖街道の通る朽木村の名物、鯖寿司を買っていたのだ。

 ここで食べられるじゃないか!

 

 こうして世界の果てのような寂しい無人のホームで、竹の皮で包まれた鯖寿司を広げ、無心に食べたのだった。当時はさすがに虚しい気持ちでもあったけど、時間が経てば、得がたい経験をしたような気持ちにもなるから不思議だ(笑)

 そんなふうに、まず来ることもないような駅前をぶらつき、駅のホームで世界の果てのような風景を眺めながら鯖寿司を食べる、という経験を積めたのだった。