信じがたい訃報
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漫画家の吉野朔実さんが4月にご逝去されていたことを、本日知った。
若い頃(80年代)は、彼女の漫画を心の支えにしていたこともあり、かなり動揺中、かつがっくりと脱力中。
絵柄はもちろん、ストーリーもネームも美し過ぎる。こっそりお茶目で、ヘビーで難しい内容を、颯爽と描く希有な人だった。
もっとも「月下の一群」「少年は荒野をめざす」は熱中したけど、「period」は理解できずにダメだった。「恋愛的瞬間」は、悩める多くのひとに読んで欲しい心理学もの。
彼女の作品には、サブキャラに、たいへん魅力的な美形男子が登場するのもいい。「たいへん魅力的」ななかには、「おそろしく変人」という要素も含まれてもいて、そこもツボだ。しかもサブキャラ。ヒロインに恋しても振られる役どころながら、ヒロインをサポートするおいしい立場でもある。読者にとっても、彼はおいしい立場に違いない。
私が結婚してうれしかったことのひとつに、彼女と同じ名字になれたことがある。若くビンボーな故・佐野洋子さんに美術書を買うお金を貸してくれた「丸善」の書店員のひととも同姓なので、さらに。
遅ればせながら、そしていまだ信じがたいけど、吉野朔実さんのご冥福を、こころからお祈りします。