彼女の好きな!?先生
Kちゃんが昨年度は現代文を、今年は古典を習っている学校のO先生の話が面白い。何をかくそう私はO先生のファンで、彼の話が出てくるのを楽しみにしている。
O先生は昨年度は作文の宿題を頻繁に出していた。そのお題の形式がユニークだったので、Kちゃんは作文を書くのが楽しくてしょうがなかったようだ。提出された彼女の作文はO先生も面白がってくれて、よく教室に張り出されていたらしい。
決して上手な作文ではない。誤字脱字は多いし、国語の得意な子が書くような流麗な文章ではない。でもだからこそ、というべきか、意表を突く展開や、突拍子もない比喩に盲点を突かれるというか、面食らってしまうのだ。
たとえばお題が「事物(固有名詞など)を選び、それについてまったく嘘っぱちの意味・由来をつくりましょう(700字以内)」というとき。
Kちゃんは『M1グランプリ』をテーマに選んだ。『M1グランプリ』は吉本興行の社長マイケルが一番面白い芸人を決める大会としてスタートするはずだった、しかし・・・という骨子の、コネタだらけの作文だ。
先生の講評としては「語源より随所にちりばめられた小ネタが面白いという不思議な作品。グッジョブです」。
あきらかに作文指導でなく、自分が楽しんでいるね、先生? でも今年から作文の宿題がないので、Kちゃんは詰まらながっている。
でも、Kちゃんによる先生の伝説は継続している。
本日の話。古典の授業は小テストから始まった。現代文はちょっと苦手だが(というか文章の好き嫌いが激しいのでムラがあるのだ)、古典の文法は得意なKちゃんは、はりきってテストに臨んだ。
ところが、ほどなくO先生は
「あっ!!」と大声で驚きの声をあげた。
「えっ!? なんや、何が起こったんや〜!?」と心の中で動揺するKちゃん。
しかし、ほどなくナゾは解けた。先生が大声でひとりごちたのだ。
「チャック、あいてた」