害虫大戦争
悪夢のような熱中症で寝込んでいた日々は、当然のように畑には出向いていない。
すこし具合が良くなった月曜日に、ハウスのキャベツを見に行った。日に三度モンシロチョウの卵と青虫駆除(完全手作業!)をおこなっていた、手塩にかけていた二株の、我が子同様のキャベツである。
結果は丸まるとした青虫たちが跋扈し、やっと球になったばかりのキャベツの、守りの要である外側の葉っぱが葉脈だけを残しているという、無惨な姿を見たのだった。
これは、病み上がりの身にはショックが大きすぎた。崖っぷちから背中を押されたようなものである。野菜を育成する気力が「再起不能」レベルにまで、針が振り切ったのだった。手塩にかけたキャベツたちが、理科室の人体模型のような姿になっているのである。H氏はみかねてキャベツたちを「ラクに」するべく引き抜いた。
あんなに手塩にかけていたのに。やっと球状になってきたのに。
それ以来、私は復讐の鬼と化した。しかしもうキャベツはないので、テキはテントウムシダマシ(ニジュウホシテントウ)とカメムシ集団だ。おまけに里芋の葉っぱにも、別口の卵と芋虫たちが〜!!
ということで、日々汗にまみれて、あの手この手で虫たちとの戦いを続けている。ときには「葉っぱ一枚取り去った方がまし!」という状況すらある絶望的な戦いだ。
というわけで、困難な状況ほど燃え上がる私の虫どもへの復讐心は、真夏日よりもアツいため、もうすっかり元気である。暑さよりも虫ども憎し!なのだ。 虫けらどもよ、首を洗ってまっておれ!