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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

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日吉の神と祭

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 昨日は「神仏います近江」の企画展示シリーズ第2弾「日吉の神と祭」を見に、れんくみさんの車に便乗して共に大津歴史博物館へ(いつも、ごめん)。  『神仏います近江』の大津歴史博物館での企画展紹介ページより↓ 日吉の神々は、比叡山延暦寺の守護神として崇敬をうけ、神と仏が融合した独特の世界を形作ってきた社として知られており、その姿は、山王曼荼羅図 をはじめとするさまざまな神仏習合の美術作品として残されています。また、この神々を祭る「山王祭」は、湖国を代表する勇壮な春祭りとして著名で、神々が里に幸いをもたらすべく、1ヶ月半に及ぶ行事が展開します。その姿は、湖と山々が織り成す景観とあいまって人々を魅了し、絵画の画題にも取り上げられてきました。本展では、日吉社にまつわる神道美術の数々や、山王祭にかかわる作品を展示し、人々が日吉の神々に捧げてきた祈りの歴史を紹介します。  というように、今回は仏像ではなく神様だ。いつもは神社の奥深くにいらっしゃる木彫りの神像や山王総本家である日吉大社山王祭を中心にした展示なので、予備知識がないだけに新鮮だった。  もっとも「知らない」上に「本地垂迹説」とか「神仏習合」とか、仏教と神道が複雑にミックスしているので、理解するのに時間がかかった。って、本地垂迹説ってなんだっけ?というところからスタートなので、詳細なキャプションで丁寧に説明されているのに、まだピンときていないかも。いつものようにウィキに助けてもらおう↓ 本地垂迹(ほんじすいじゃく)とは、仏教が興隆した時代に表れた神仏習合思想の一つで、日本の八百万の神々は、実は様々な仏(菩薩や天部なども含む)が化身として日本の地に現れた権現(ごんげん)であるとする考えである。    つまり日本の神様は仏教の仏が姿を変えて、日本に出現したものであるという考え方らしい。逆に反本地垂迹説というのもあるそうで、これは日本の神様が本来で、仏が権現(仮の姿)という考え方。どちらかをとことん支持して戦ったりせず(飛鳥時代には物部氏蘇我氏の神対仏の戦いはあったけれど)、いかにも日本人の鷹揚さがよい方向に出た、神仏共存できる懐のひろい考え方だ。  『日吉の神と祭』最初の部屋では、近江のいろんな神社から集められた神像がいらっしゃる。素朴でかわいい方々だ。男神はむっつりと怒り顔だけど、雑作が素朴なので意外に可愛かったりする。男女の神が対になっている(らしい)夫婦?もの、団体様ご一行でいらっしゃるもの、おひとりさまとそれぞれだ。  ご神体はご神木から彫り出されたものなので、わざと彫りをあらくしたり、顔面を彫らなかったりして、「ご神木」たるを残すようにされたものもあり、興味深い。  次の山王祭展示は、祭に使われるあれこれの他、祭のようすを描いた屏風、巻物、などが展示されている。祭自体が7基の神輿があり、それも京都の神社に出向いたり、琵琶湖にこぎ出したり、湖上での行事があったりと、多岐に渡っているので、全容を理解するのがこれまた時間がかかってしまった(苦笑)  ラストは祭の時間軸に沿った写真が、パネルにしてあり、とてもわかりやすかった。それにしても1ヶ月の準備期間があり、最初は「榊山」から巨大な(七夕の竹より大きそうな)「榊」を切り出し、それを地面につけないように運ぶところからスタートする、というのもいかにも古式ゆかしい。民俗学とかやってる人には大好物なお祭りかもしれない。  面白いのが4月14日の例祭に、天台宗総本山比叡山延暦寺より天台座主が参拝され、ご神前に五色の奉幣、般若心経の読経を奉納されること。神仏習合が目前で繰り広げられるのだ。  あまりに面白かったので勢いづき、帰りに日吉大社に駆け足ではあるけど立ち寄る。帰って日吉大社のHPをみたら、行ったのは大社の一部なので、できたら次回は山登りを含む奥社までコンプリートしてみたい。 鳥居の上に△が乗った山王鳥居。全国でもここだけ。  天台宗の教義では北斗七星を重視している、というのを「日吉の神と祭」にて学習した。山王七社の神々が「北斗七星の神」とされていることから、ここの狛犬も7つの尾っぽを持っているそうだ。    ちょっと剽軽な吽形の狛犬。かわいい♪  阿形の狛犬は凛々しい。