鬼、大あばれ
さて、3時からは茂山社中の「鬼の舞」が始まるのだが、予習段階で疑問が噴出。せっかく陰陽師が祭文(さいもん)を奏上し、方相氏が「鬼ヤロー!」と呼ばわって場を祓ったのに、なぜ鬼がまたやってくるのか?
親切にもスピーカーから儀式のアナウンスが流れるのだが、それによると「逃げ遅れて迷い込んだ鬼たち」という設定になっている。つまり、どんくさい鬼たち、ということになる。なるほど。たしかに狂言に相応しい設定だ。
門を守る守衛さんたちだが、門のスキマから背伸びをして、中を伺う鬼たち。わぁ、かわいい♪ そこから芸は始まるのか。
守衛さんに扉を開いてもらい、うれしげに、イカツク入場する鬼5匹。よっ、待ってました! 衣装もきらびやか!
合戦の大将が采配を振る際に持つ団扇である「軍配」をもっているから、この鬼がどうも大将なのだろう。もっとも采配を振るって逃げ遅れるくらいだから、大将といえど、やはりどんくさい鬼には違いない。
それにしても団扇は古くから悪鬼を払い、霊威を呼び寄せるという意味合いで、神事などにも用いられてきたものらしいから、本来は鬼の持ち物ではない。そういう意味でもどんくさい鬼大将なのかもしれない。
武器を手に、暴れる鬼たち。
悪いご、いねが〜?と、きょろきょろ・・・いやいや「なまはげ」ちゃうし。
いいごになるか〜? 「なまはげ」ちがうって!
観客にサービス満点! ど迫力のアップ。トラのベルトが剽軽だ。
おっと、鬼と目が合ってしまいました〜。服の龍の目ともね。
大極殿からご登場の年配豆男たちに、ひるむ鬼たち。そんなに豆がこわいのか?映画『妖怪大戦争』を思い出す。大豆も小豆もすごい威力だ。
鬼を追いつめる豆じいちゃんたち。
そしてついに、「鬼は〜そと!」と門外へ。ちょっと鬼がかわいそう。これにて「鬼の舞」、一件落着。鬼さんたち、また来年ね。
続いては、みんながエキサイトする豆まきだ。さすがは京都、キレイどころの舞子さんも混じって撒き手たちも(一部)華やかだ。この興奮の坩堝で、押し合いへし合いの中、バランスを崩して尻餅をついたのは、なにを隠そう私だ。大体150センチ・デイズな私が手を伸ばしたって、どだい無理だ。
しかしころんでもただでは起きないをモットーにしているだけあり、キャッチしそこねられた袋豆があちらに、そしてこちらに!
手を踏まれないように、すばやくゲットする。しかし、立ち上がれない。
が、親切な人というのは、どこにもいるもので、「あ、倒れてる人がいる!」と気づいてくださったカップルさんが、助け起こしてくださった。あなたたちのような人にこそ、福がやってくるのです! どうぞ神様のご加護がありますように! どうもありがとうございました!!