アドバルーンが好きっ。
久しぶりに懐かしい物を、先日見た。アドバルーンだ。
ちょっと離れた角のファミリーマートが新装開店したので、リニューアルオープン企画?としてアドバルーンをぶち上げたらしい。濃いピンクに赤が混じった色に、ただ一言、「オープン」。これは逆に目立つ。しかも田んぼ沿いの道で、駐車場もしっかりある、つまり寂しい場所の田舎のコンビニだ。やっぱり目立つ。
そして、その作戦に、まんまと引っかかったのが、私だ。車に乗ったまま、しかも、運転したまま、目が釘付けだ。アブナくってしょうがない。
子どもの頃には、街中ならあちこちでアドバルーンがあがっていた。お店がオープンするとか、大々的な売り出しがあるとか、そういうときにアドバルーンは高い空で悠々と揺れていた。空に広告を出すって、なんてステキ! 静かだしロマンチックだし、ドキドキした。
アドバルーンをみると、子どもながらに血圧があがり、心拍数があがる。アドバルーンは都会の匂い、「高度成長期」といわれるものの匂いがした。ルパン三世だって、アドバルーンを使って犯罪を企てた。たかが風船、されど風船。
ところがなんということだ、立ち寄ることはしなかった。オープン、イコール、人が多い。人が多いとストレスが溜まる、極論すれば殺人が増える、ということは、『グラスホッパー』で学習した。
基本的にストレスフルな場所へは、わざわざ行かない。どんなに安いバーゲンでも、高級品が大幅プライスダウンのアウトレットでも、回避する。これはもう、主婦でも、ましてや、女でもない、かもしれない。こうみえても、よくばりではないんや(©さえフロム・「カーネーション」)。 ーケチだけど。
そう、アドバルーンそのものは好きだけど、それが意図するものは、実はどうでもいいの。ごめん、小南交差点のファミリーマーケットさん。だけど、久々に普段は低めの血圧と心拍数、あがりましたよ。懐かしい、すてき物件をみせてくださり、どうもありがとう。