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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

奇跡的邂逅

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 天五中崎通商店街をめざしたのは、大阪の名物古書店青空書房が目的地。  ところがシャッターが下りている。昨年12月にH氏がひとりで訪ねたときにもシャッターが下りていたらしいので、ふたりして不安な気持ちになるが、仕方がないので、少しトーンダウンした気分で歩き出す。  歩き出して1分も経たない時に、突然H氏がゆっくりと自転車に乗った老人を呼び止めた。  「あの、もしかしたら、青空書房の方ですか?」  ええっ!? 私はゼンゼン気づかなかったが、自転車に乗っていたのは、まさに青空書店の店主、さかもとさんその人だったのだ。  先日来インフルエンザで体調を崩して入院されていて、ほんの少し前に退院されたばかりだそうだ。ホントは今日もしんどいので休もうと思っていたけど、なんとなく気になって、店に来てしまったそうだ。  さかもとさんをキャッチしたH氏、すごい! さかもとさんを念力で呼び出した私たち、すごい(笑)  「もうぼくももう90やし。ほやけど、どんなにしんどくても、店に来たら、なんか元気がでるんですわ。ぼくは本が好きやし、店が生き甲斐やし」。そう、店主は89歳だ。  この言葉って、どっかで聞いたことがあるなと思ったら、Kちゃんと伊賀にいったときに立ち寄ったお蕎麦屋さん「そば松尾」の、今は亡きおばあちゃんが、おんなじことを言ってたっけ。  店頭に置いてあった雑誌『大阪人』の3月、4月号を購入する。4月号で『大阪人』は休刊する、と新聞で読んでいたので、ここに来たら買おうと思っていたのだ。(『大阪人』のHPで確認した所、5月号と5月増刊号をもって休刊となるらしい。あと2冊発行されます)  さかもとさんは、『大阪人』という雑誌の素晴らしさをページを開いて力説されていた。確かに3月号の司馬遼太郎の特集といい、4月号の大阪のデザインの特集といい、それは素晴らしかった。綿密な取材と高密度に構築された記事で、「ぎっしりな雑誌」を久しぶりに読んだ気がした。たいへんお値打ちなので、もし入手可能なら、是非ぜひ。    さかもとさんは、89歳ながらブログ『青空書房の青空』も作られている。さすがに管理人は別人らしいけれど、そこで拝見できる店主自筆の『本日休業』ポスターは、絵も字もはっとするほど瑞々しくてステキ。  どうか無理をなさらず、まだまだ元気で長生きしてくださいね、さかもとさん。