大阪商店街、婦人衣料店
大阪のおばちゃん、というと、イコール「ヒョウ柄」という連想が一般的なところらしいが、実際大阪で女性がヒョウ柄をお召しになっているのを観ることは稀だ。私はたまにしか大阪にいかないので、寡聞にして知らないだけかもしれない。
商店街の道路沿いの目につく場所にある、廉価な目玉商品としてぶら下がっているブラウスやパンツには、ちらほらとアニマル柄を見かけることは、ある。
しかし、私が先日歩いた天神橋筋商店街の婦人衣料店のうち3軒で、思わぬ共通項を発見してしまった。それは「アニマル柄」などという生易しいものではなかったのである。
内1軒のお洋服が自己主張しているショウウインドウには、実物大よりひとまわり小さいくらいのヒョウの置き物がディスプレイされていた。もう1軒のショウウインドウには、やはり実物よりひとまわり小さいトラのリアルぬいぐるみが、マネキンの足元で徘徊姿勢で固まっていた。
いちばん驚愕だったのは、通路入口で、ウェルカムな表情のカンバン虎の剥製(フェイクの可能性大)が、親子でおでむかえしてくれていたお店だった。
もしかしたらこれは、大阪の商店街の婦人服衣料店はジャングル並みのキケンな戦闘が待ち受けてまっせ〜、という暗号かもしれないのだ。大阪では、商店街でお洋服を買うのだって、大冒険が待ち構えているのかもしれないのである。つまり大阪のおばちゃんは、タフでなければおしゃれも向上しないとみた。もっとも、この「おしゃれ」が、どっちの方向を向いているかは不明ではある。