ちゃちゃちゃ
かなりカッコイイ多宝塔だ。
鬼瓦だって、どうして味がある。
本堂の前に涼やかな姿の松が。
なんと本阿弥光悦直々のお手植え松だった。
本堂の前で枝を広げる桜。「もうちょっと遅う来たら、ええもんみせたったのに、惜しかったのう」とばかりに蕾をいっぱい付けていた。これはこの日、至る所で桜に言われた(ような気がする)セリフだ。
どんなお方かは知らねども、初めての摩利支天詣で。20代の頃に旧制高校が舞台のマンガ『摩利と新吾』を夢中で読んだので、一度、摩利支天にはお参りしたかったのだ。摩利支天は主人公の名前の由来だ。
仁王門から出たら、いやに美しい大きな柳の枝が、風に吹かれてなんとも雅びな風情だ。でもその隣には、不審げに私をみる警備員の姿が。
警備されている、ゆかしい門をくぐっていかれるのは、着物姿の上品なおばさま方だ。えっと、お茶会?
暫く歩くと、左手にりっぱな建物がある。なんだろう?
なんと千利休ゆかりの碑がある。その名も「不審庵」だ。茶道の表千家の本拠地、ホームグラウンドである。しかし「不審庵」とはつけもつけたり。
いいなあ。ウチも「たぬき亭」改め「不審庵」には及ばずながら、「不庵」とか「迷庵」とか「怪庵」とかに改名しようかなあ。
ツーと言えばカー。山といえば川。そして、お茶といえばお菓子だ。老舗の京菓子司である俵屋吉富の小川店。でもちょっと敷居が高そうで入れなかった・・・。というか、時間もなかったし。
帰宅後調べてみると、この寺之内町という界隈には、日蓮宗のお寺がひしめいているそうだ。また、本法寺の表門が面する小川通には、茶道の表千家・不審菴、裏千家・今日庵(茶道会館)や茶道具・茶器を売る店が並んでいた。まさに「ちゃちゃちゃストリート」。お茶どころが宇治というのは有名だけど、茶の湯文化が北区の小川通りというところにあるなんて、「知ってる人」しか知らないだろう。
白壁・瓦葺き!!の塀の内側にあるのは、「てらのうちようちえん」! 春休みなので、しんとしていたが。白い八重桜がみごとに咲いていた。
珍しい桜を見た後は、茶道具のお店のショウウインドウを眺めつつ、堀川通に戻って行った。さすがに茶道具のお店に入る勇気はない。お値段もお値段だものね。
さあ、銀閣寺方面のバス停、探さなくちゃ。