知恩院/阿弥陀堂
阿弥陀堂までの回廊は、昨日の写真のとおり、素敵過ぎる。ここで結跏趺坐したら悟りを開いてしまうかも、というくらい心静かになれる場所だ。
たぶん黄檗宗のお寺にある魚板と同じものかと思われる。時間を知らせる銅鑼のようなものか。学校でいえばチャイムみたいな。
阿弥陀堂サイドより。風格があって、落ち着いていて、シンプルすぎずデコラティブすぎずちょうどいいバランス。
下から見上げても、やはりいいものは、いい。
見上げていると首が疲れた。俯いてみる。ん? なんだこれ?
象の意匠のドアストッパー。年季の入った陶器製。背中には三つ葉葵をしょっている。これを見せれば、悪党どももひれ伏す無敵のブランドものだ。
いいなあ、猫のように丸くなる象。このツンデレ具合。後でお土産物屋さんにないか探してみよう。なかったら手作りしてみようか(どんだけ気にいってる・笑)。なので、もう一枚写真をアップ。ほんの少しだけアングルがずれている。
そんな阿弥陀堂の入口にいたら、雨は一層激しくなり、雷鳴がごく近くで轟いたかと思うと、バッシャーン!!と続けざまに空を引き裂く音と、初めて見るような太い稲光が。
近くに落ちた? ここは大丈夫? 五重塔とかないよね?
ということで、しばらくは阿弥陀堂にて足止め。
阿弥陀堂のお内陣は、豪華絢爛だ。思わず感嘆の声があがる。上から金色のびらびらした装飾品が滝のように垂れ下がった天蓋。その下に、やはり金色の大きな阿弥陀如来座像。阿弥陀如来さまなのに、大日如来さまの印を結んでおられた。やはり武家が作った寺院なので、真言宗が色濃いのかも。
お内陣の前の畳には、ずらりと木魚が座布団に鎮座していた。
「子どもの時は、木魚が頭蓋骨にみえて怖かった〜」という昔語りをしていたら、ポクポクポクと音がし出す。アニメ『一休さん』や「あのねのね」でヒットした『魚屋のオッサンの唄』でよく聞いた木魚の音だ。お坊様はおられなかったはず。
ぎょっとして音のする方を見れば、グループで参拝のおばさんが、好奇心より叩いてたのだった。
「あんた、ちょっと、もうやめとき」
「木魚、一回叩いてみたかったねん」
さて、木魚はどうしてあんな形なのか、という話になり、宿題に持ち越した。
まず、なぜ木魚なのか。ウィキペディアにて調べてみた。
読経をするときにリズムを整える。意外にも、眠気覚ましの意味もあるそうだ。かつて眠らないものだと信じられていた魚を模して作られたのが、木魚だとか。自らの尾を食う魚や、2匹の魚や龍が珠を争う姿などを図案化した鈴のような形をしている。表面には魚の鱗が彫刻されている。内部は空洞になっている。
というところだろうか。私がガイコツに見えた口にあたる部分は、2匹の魚の尾びれなのだった。尾びれ、見ようによっては歯にもみえるもんな。(見えるか!?)
雨も雷鳴も止んだので、次なる場所に出発だ。
ああ、知恩院のおおらかさとか、遊び心を容認する寛大さとか、好きよ〜。