文殊楼
さて、根本中堂を出たら、ものすごい傾斜の石段があった。知恩院の男坂を上回るかもしれない。ちょっとばかし目眩がしてきたので、う〜ん・・・と珍しく尻込みしていた。
「なんか上、おもしろそうやで。いってみよ」というH氏の言うなりに、石段をのぼる。もっと距離が長かったり、手すりがなかったりしたら、のぼりきるのは無理だったかも(すっかり弱気)。
傾斜はコワいくらいだったが、段数は50あるかないかくらいだったので、なんとかのぼりきった。ら、ピンクの門がでん、とある。きっと昔は朱だったのだろうけど、色褪せてピンクになってしまったのだろう。じつは、これは比叡山の山門だ。
中をくぐると、無料で上にのぼれるらしい。山門に自由にのぼれる♪と、よろこんだのもつかのま。それは階段というより、ほとんどハシゴに近いキケン極まりない階段だった。
ほとんどヨロヨロしている私も5段ほどあがってみたが、H氏の「無理せんとき。やめといたら?」の言葉に、素直に従う。この状態では手強過ぎる。
でもあとで調べたら、「受験生の合格祈願に人気」とあったので、ちょっと悔しかった。文殊菩薩、知恵を司る仏様だもんね。なんとか今年中にリベンジせねば(また行くんかい!?)
日本の大黒天信仰の発祥の地というのに。本尊の大黒天は「三面出世大黒天」と言われ、大黒天と毘沙門と弁財天が一体になった姿をしている、山ほどお願いしても受けて立ってくださりそうな方なのに! やっぱり、リベンジせねば(どんだけ欲深いんや!)
と、スルーしまくりの私だったが、H氏は冴えていた。
「こっちの道行ったら、さっきの道行かなくても駐車場に戻れるかもしれへん。いってみようか」という下りの道を選んでくれた。これが大正解で、階段を上ることなく、ゆるい登り坂のみで駐車場に戻って行けた。
途中、お土産物屋さんで、ごまと醤油漬けの牛蒡と、栃の実せんべいと、鶴喜のそばぼうろとを急いで購入。3つで1050円コーナーの戦利品だ。牛蒡はおかず用、トチノミせんべいは、私が目がないので、そばぼうろは、かわみち屋より鶴喜の方が好きだから、という確信犯。
酷暑の車中に戻り、ぐったり。いよいよ体力はすり減ってしんどさが増幅してくる。なのに、旅はまだ終結を迎えることなく続くのであった。