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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

チェブラーシカ!

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 れんくみさんにいただいたチケットで、H氏とともに滋賀県立近代美術館で開催中の『チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち』展に行って来た。

内容については、滋賀県立近代美術館のHPより下記にコピー↓ ご参考までに。

 1966年エドゥアルド・ウスペンスキーの童話『ワニのゲーナとおともだち』に初登場し、ついで1969年人形アニメの巨匠ロマン・カチャーノフ監督によってアニメーション化されると、ロシアで絶大な人気を誇る国民的キャラクターとなりました。大きな耳と茶色の毛、つぶらな瞳が特徴で、無邪気でひたむき、愛らしくて、でもどこか哀愁を帯びたチェブラーシカは、日本でも幅広い層に親しまれ、2010年にはロシアの二人の美術監督と日本人の監督による新作映画が上映されました。

本展は、人形アニメチェブラーシカ』のスケッチや絵コンテ、人形やマケット(舞台装置)、映像、童話の挿絵原画など貴重な作品を展示し、キャラクター誕生からその変遷、アニメーション映画の創作過程などを多面的に紹介し、その人気の秘密に迫ります。

 チェブラーシカ、大好き〜!!という訳でもないが、100円のガチャポンでチェブラーシカの携帯ストラップにトライした程度には愛している。JR西日本のマナー広告ポスターもかわいかった。どちらかといえば、展示より企画展のミュージアムショップ商品に期待していたのだ。

 9時過ぎに家を出て、H氏と美術館を目指して車でGO! 美術館はやはり子ども連れなど、ご家族で見えた方が多かった。

 で、結論から言えば、企画展の出口をくぐる頃には、すっかりチェブラーシカ(以下略してチェブ)大好き!になっていたのだ。ものの見事にまんまと美術館の罠にはまった、ということだ。

 ちなみにチェブラーシカはロシア語で「ばったり倒れる」という動詞。チェブはオレンジの箱で南の国からやってきたのだけど、果物屋さんがオレンジの箱を開けたとき、寝ぼけて「ばったり倒れた」からそう名付けられた。なんてトリビアルな名前なんだ。

 最初の展示物はチェブの住処の電話ボックス&そこから扉を少し開いてのぞくチェブ。ポスターやチラシになっているカットね。そのなんともキュートな映画のワンシーンを再現したセットに、おもわず胸キュン。か、かわいい・・・! 

 ナゾの生き物であるチェブは絵本の主人公として誕生したのだけど、著作権の意識が低かった当時のロシア(旧ソ連)では、様々な画家が基本は押さえている(?? 目が大きいとか耳が大きいとかいう程度だが)ものの、似ても似つかない様々な造形のチェブ絵本を生み出した。内容は一緒だが、絵はそれぞれに個性的でユニークな別ものだ。

 上のふたつは実は違う画家さんによる同じ場面。チェブの家に友達のワニのゲーナを招待し、一緒にコーヒーを飲むところ。

 さぞや原作者のエドゥアルド・ウスペンスキーさんはムカついていることだろうと思いきや! 私のような凡人とは、器の大きさがちがう。

 「チェブラーシカは、ひとつではなく、ひとりひとりの心の中にそれぞれのチェブラーシカが住んでいるのです」とおっしゃっていた。「それぞれのチェブ」を寛容に容認されていたのだ。さすが広大なロシアの人だ、スケールが違う!

 また、チェブラーシカは弱くて小さいけれど、ひととひととをつなぐ役割を担っている、というインタビュー映像も感動的だった。

 なにより映像でみた動くチェブは、なんとも可憐なのだ。シャイで弱くて自信無げなしぐさとしゃべりと眼差しが、なんていうのか、人間の保護本能を最大限に刺激するという、不思議な魅力に溢れている。それでいて、一生懸命に孤独なひとたちを結びつける素敵なチェブ。

 チェブで使われる音楽も「パルナスのCM調」で、いかにもロシアの哀愁いっぱいだ。

 ということで、出口から廊下に出た時点ですっかりチェブにメロメロになっていた私は、受付ちかくの大きなチェブ人形を写真に収めてミュージアムショップに向かったのだった。

 (すみません、この企画展は明日7月29日までです)