観音さまに黙祷
最近は新聞もオチオチ読めてないくらい、情報量が少なくなってしまったが、この日は珍しく詳細に新聞を眺めていた。
え? なになに? 湖北で仏像展?
湖北かあ〜。木之本の参道とか、懐かしいなあ。Kちゃんを蒸気機関車に乗せてあげに行ったんだったっけ。蒸気機関車に乗った終点の駅が、たまたま木之本駅で、帰り(蒸気機関車の復路)まで時間があるから降りたんだ。そしたら木之本地蔵さんのお祭りをしていて、参道沿いの露店で「あてもん」(くじびき)したら、自分と同じくらいの背丈があるフェリックスのビニール人形を当ててしまい、駅で必死に空気抜いて、大苦労して持って帰ったなあ。
あ、思い出に浸っている場合じゃない。湖北の仏像展が開催される話だった。タイトルは「湖北の観音」展。湖北は観音の里でもあり、湖北観音ツアーなるパックもあるくらいだからね。しかもリピーター率高し。
読売新聞9月11日の情報によると↓
重要文化財や県、長浜、米原両市の文化財に指定された観音像など仏像計51件81体が集められたが、うち半分は寺院以外では初公開となる「秘仏」。同じ観音さまでも様々な姿や形をしていることが詳しく学べる。
湖北地方は、奈良時代や平安時代、「近江国の鬼門」と位置付けられ、己高山(こだかみやま)を中心に、独自の仏教文化が育まれた。
室町期に浄土真宗や曹洞宗といった新仏教が勢力を伸ばすと、伝統的な天台寺院では無住職、廃寺の道をたどるところが多かったが、残された仏像は宗派の枠組みを超え、民衆が地域の信仰の象徴として、戦乱にあっても身を挺(てい)して守り、こうした仏像は今も「観音さん」と、親しみを込めて呼ばれ続けている。
会場はふたつに分かれるのでご注意を。長浜会場と高月会場だ。
長浜会場は「長浜城歴史博物館」で、こちらのタイトルは「信仰文化の底流をさぐる」と、ややアカデミック。
一方、「高月観音の里歴史民俗資料館」では「観音の里のホトケたち」といくぶん民衆寄り。カタカナで「ホトケ」とあるのがクセモノっぽい。学芸員さんの仕掛けを感じるね。
長浜会場にキレイどころを持って行かれた感があるけど、観音といえば高月、負けちゃいない。
だってね、正妙寺(高月町西野)にある、ものすごいレア仏像「木造千手千足観音立像」が展示品としてあるんだから! これは仏像マニアには外せない逸品だ。やるな、高月(ニヤリ)。
みうらじゅん氏といとうせいこう氏の『見仏記』(ビデオ)にも登場し、あのツワモノふたりをして一瞬絶句させた造形(上記の新聞記事に写真があります)の上、辺鄙な山の中まで行かねばならず、しかも要予約で「お堂当番」(!)の村人の手を煩わせるなど、見仏に至るまでもハードルが高い仏様でもあるのだ。これはチャンス到来といいたい。
長浜会場は、会期が9月7日(金曜日)から10月14日(日曜日)まで、高月会場は、9月12日(水)から10月21日(日)まで。微妙に期間が違うので、このあたりもご注意を。