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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

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ふたたび清浄華院、その他

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 ふたたび清浄華院の話に戻るが、ここの大方丈で非常にエキサイトしたことを書き落としていた。

 正直にいえば、廬山寺でみたのか清浄華院でみたのか、記憶が渾然としていたので、確認作業に時間がかかったのだ。

 大方丈には、奥の突き当たりに木造阿弥陀三尊像が祀られている。元は阿弥陀堂のご本尊で平安時代の作。両脇侍の観音菩薩勢至菩薩像は、江戸時代の作。菩薩さまは「大和座り」と呼ばれる珍しい座り方をしていらっしゃるが、正座のように足を曲げる様子は、衆生をお迎えに来てくれている様子を表しているそう。ありがたいことである。

 しかし! エキサイトしたのはタタミ2畳分ぐらいの掛け軸三本が、床に敷いてあるものだ。『冥界絵相』という死後の世界のあれこれを描いたもの。

 十王の裁き、亡者がさまざまな責め苦を受ける「地獄変相図」、それを救いにいくお地蔵さま、うってかわって静けさに満ちた荘厳な極楽の風景。

 これはっ!

 昨年の小嶋一郎先生のレクチャーのすべてが絵図となっているではないですか〜!!

 冥界の裁判制度でおこなわれる四十九日までの数回にわたる裁判も、地獄の責め苦のあれこれも、極楽の様子も、ことこまかに描かれているので、先生の説明がありありとしたビジュアルでみることができ、感激する。また、不思議なご縁すら感じてしまう。

 作者がたぶん一番ノリノリで描いているのは、もちろん地獄の責め苦だ。多彩なバリエーションがあり、描いていて楽しくてしょうがないという空気が伝わってくる。釜茹でにされる亡者、獣たちにいたぶられる亡者という定番のほか、熱湯のなかでいくつかの頭蓋骨が浮かんでいたり、門のような場所の段々に蟹や鯉!がいたりと、遊び心も存分に発揮されていた。物語性もあり、つい長々と見入ってしまった。

 さて、廬山寺を出て京都府医大の学祭中の賑やかなキャンパスを通り抜け、河原町通りにむかう。キャンパスを抜けると、古い土塀が続いていた↓

 河原町通りの神宮丸太町にあるシンプルな石釜パンのお店「ボン・ボランテ bonne volonte」

 問答無用にふらふらと、扉を押して入ってしまう。シンプルな外観、若い女性スタッフ3人くらいでお店を回しているらしく、ちいさなガラスケースに並べたパンたちはとてもおいしそうだった。なんのコピーもかわいいポップも無いけれど、素朴でにこやかながらパンには誇りをもっていそうなスタッフさんの様子で、こだわり加減が伺える。お店のほとんどは石釜で締められており、薪が積み上げられていた。もちろんお買い上げで、翌日、美味しくいただきましたよ。

 ↑何のお店か不明だけど、白壁、虫かご窓の下には星条旗という不思議なマッチング。かっこいい外観。

 冷泉家グッズ、一筆戔の表紙↑

 一筆戔の中はこんな風↑歌集「仲文集」の冷泉家本藤原定家の書写になるもので、原表紙は白地蝶丸文萩模様となっている。どうやらその模様らしい。