一生に一度のお願い。
長寿寺について、もう一度、おさらいをしておく。滋賀県公式観光サイトよりの引用↓
阿星山の北東麓にあり、常楽寺の西寺に対して東寺と呼ばれる天台宗の古刹。
奈良時代後期、聖武(しょうむ)天皇の勅願によって良弁が創建したと伝えられている。平安時代初めに中興されたのち、一時衰え、鎌倉時代初期には源頼朝(よりとも)が、室町時代には足利(あしかが)将軍家が祈願所として諸堂を造改修したといわれている。
参道を行くと、最初にみえるのは右手にある石造多宝塔。どことなく渡来文化の香りがする。
前方には、姿のすぐれた国宝の本堂がある。
なにしろ50年に一度という、一世一代の宗教行事だ。白木の標が立ち、段段にはレッドカーペットを敷いたスロープの橋がかかり、レッドが終わる場所には、グリーンが敷き詰められていた。
御開帳の法要が12時まで行われた。丁度お坊樣方がレッドカーペットのスロープを踏みつつ、退出されるところ。50年に一度の重みは、アカデミー賞の比ではないかも。
本堂の中には御詠歌をうたう、ここぞとばかりに留袖らしきものを着た、年配のご婦人方が本堂の半分を占拠されていた。9月には固く閉ざされていた厨子の扉がおもむろに開かれ、御開帳が開催されていたのだが。
なんと厨子の中はとても暗く、首から上が暗闇のなかに! つまりご尊顔がまったく見えない!
なんというシャイなホトケ様であることか! 今回はともかく、お願い事をかなえてもらおうとはるばるやってきたので、ご尊顔を拝することはあきらめ、御開帳以外のホトケ様たちにも、ご協力をお願いする。こちらの釈迦如来様や阿弥陀如来様も、相当素晴らしいのだ。
桧皮葺で曲線を描く屋根に圧倒される。てっぺんで睨みをきかす鬼瓦も、かっこいい。
本堂前にある弁天堂は、小池の中島に立っている。
シンプルながら美しい佇まいだ。
後日、願い事がしっかりと叶えられたのを知る。やはり50年間蓄えられたあらたかな霊験の威力であろう。長い眠りから目覚めた地蔵菩薩さまに感謝。