むしろ子どもにこそ。
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さて、豊満神社を出た後、近くのおしゃれなお蕎麦屋さん「そば処 藤村」で昼食。ソフィストケイト、という言葉が似合うお店だ。極上のお蕎麦を洗練された店内でという意向らしいが、正直私たち夫婦に洗練とかおしゃれほど似合わない場所はない。場違い感ありありで、非常に美味しかったにもかかわらず、食べるや否や、そそくさと退場する。
帰途にはたいへんなものを、目撃してしまった。
みうらじゅん師が注目して、すっかり滋賀県の風物詩となった感がある「飛び出し坊や」。
もともとは、「遊びに夢中な子どもがボールを追いかけて、道路に飛び出すかも知れませんよ。ドライバーの方は、そこんとこ充分気をつけてくださいね〜!」という意味でつくられていた。つまり車サイドへの注意喚起である。
しかし、このご時世にボールを追いかけて道路に飛び出す、というベタな子どもが一体どれくらいいるだろうか? どちらかといえば、集団下校でこどもたちがぞろぞろ列になって帰宅する途中、隣の子とふざけてふらふらと道にはみだす、というパターンのの方が、よく見かける気がするのだが。
それに子どもとはいえ、無責任に道路に飛び出すのを放任して、車サイドだけに注意喚起するのも、教育的にどうなのか。
みうらじゅん師も、そのへんは押さえておられる。「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載されていた「みうらじゅんに訊け!ーこの島国篇ー」では、こんなことをおっしゃっている。
車の人も気をつけなきゃなんないですけど、
坊やも飛び出すなよ、
ということだと思うんです。
飛び出さなかったら
何の事件も起こらないわけですから。
という状態に対応しようということなのかはわからないが、東近江市(旧・八日市市辺あたり)で、抜群の啓発力を発揮した、一体の飛び出し坊やを発見したのでご紹介しよう。裏表を使って「因果応報」ともいうべき世界を子どもに教える、もはや仏教的ともいえるインパクトのある作品である。
さすがは「飛び出し坊や」発祥の地ともいうべき八日市、元祖「飛び出し坊や」を作った「久田工芸」のある八日市だ。一体の飛び出し坊やに、交通安全啓発ストーリーを持たせる技に驚愕し、わざわざ車から降りて写真を撮りに行った次第である。