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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

「遊び」いろいろ

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 そんな懸念はあったものの、やはり昔の人の「遊び」の品々は面白かった。(コチラで一部の画像が見られます)

 貝合わせの貝が豪華な蒔絵の、それも2段の手桶状の貝桶に盛られているところを見られたし、貝合わせは、貝の模様を見て、同じ貝の上下と判断するのだということも知った。

 目的の「片身替蒔絵螺鈿双六盤」は、予想以上にゴージャスだった。側面はそれぞれ半分が螺鈿をぎっしりちりばめ、半分が彫金(らしき?)でラインが入るというモダンデザイン。しかもこちらの面ではラインがタテ方向とすると、次の面ではラインはヨコ方向に走る。かっこいい。これを目的にきた甲斐があったというもの。

 他にも双六のようなもので、競馬(きそいうま)の人形が駒になっているものがあり、馬と人がセパレイトされる「落馬」というダメダメな目もあることも知る。昔の盤ゲームは、やんごとない方たちが使われたので、作りが豪華。漆、螺鈿、蒔絵、彫金。これでもかと贅を尽くして職人も「遊ぶ」のかも。それにど〜んと大きい。

 歌舞音曲も「遊び」カテゴリーに入るので、楽器も展示されていた。篳篥(ひちりき)、竜笛(竜笛)、笙、小鼓の胴に、蒔絵で桜などの絵が施されて素敵。能楽の小面は、あまりにもよくできていて、鳥肌がたちゾッとするくらいだった。

 行楽や宴会も「遊び」。朱塗りや蒔絵の椀や酒器は、じっくりと拝見。杯の内側に亀が遊び水紋が描かれたのが、かわいくてお気に入り。「酒飯論絵巻」は、ようするに「酒とメシ、どちらが大事!?」という論争を描く絵巻で、「そりゃもちろん、メシですよメシ!」と、飯派を応援する。

 年中行事もやっぱり「遊び」で、私の子ども時代の重要な思い出のひとつが「七夕」。裏山から笹を取って来て、飾りを折り紙で作って、川に流しに行く、というのを、「川に笹を流すの禁止令」(川を汚さない為に)が出るまでやっていた。この博物館所蔵の「七夕文様帷子」という衣類の絵葉書も持っていたけど、ホンモノを見るのは初めて。うれしい出会い。

 驚愕したのが、連歌香道(組み香)には、八代集(『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』『後拾遺和歌集』『金葉(きんよう)和歌集』『詞花(しか)和歌集』『千載(せんざい)和歌集』『新古今和歌集』)の知識が必須なので、嫁入り道具として婚家に持って行ったのだとか。

 連歌はわかるけど、香道ってそんなに膨大な知識と教養が必要だったのね。お見それしましたっ!

 御所人形やからくり人形のあるラストの部屋には、英一蝶/筆の、「皿回しと猿回しの愉快な掛け軸があった。でも面白いのは絵よりも落款。なんと上下逆さまに押してあるのだ。しかし英一蝶は、あわてずさわがず(たぶん)、印の近くに「老眼逆印」と書き込んだ。

 これは私も年賀状を逆向きにプリントアウトしたときに、使わせていただこう。「老眼逆刷」だ。