ステキ仏に魂抜かれ。
もちろんレアなイロモノ系じゃない、正統派ビジュアル系の 仏像さまたちも多数出演されている。
このファッションモデルのような身のこなし、軽い腰のヒネリも効いている。衣服のまとい方のセンスも抜群だ。それでいて木調の素朴さと清楚な美しさが同居している。なにより、ふわっと軽やかだ。
これほどパーフェクトに美しい地蔵菩薩さまにお目にかかれるなんて! 眼福とはこのこと。光背の線が一本ないのは、あまりにカンペキだといけないからかも。もう、ためいきの大安売りだった。うっとりとお地蔵様をみあげながら、まわりをぐるぐる回った。
こんなに精緻で美しい、しかもカラフルな四天王を見たのは初めてかもしれない。顔の色は彼らがいる方角を表しているそうだ。ガラスケースに入った日本人形くらいの小振りな像だけど、作りは微に入り細に入り作り込んである。好きな物を描きこむ時の森薫さん(漫画家)のようだ。踏みつけられた邪鬼までがつくりこまれ、表情ゆたかで邪鬼にも玉眼が嵌められるほど手が込んでいる。
なぜか素通り出来ない仏様。キャプションには「いわゆる濃い顔」と書かれていた。なるほど、だからか。シンプルなのにどこか個性的。平安時代の作だけど、技術的にはまだおおらかな感じがする。
ああ〜もう〜! とても涅槃仏とは思えない長閑(のどか)さが素敵。ひなたぼっこでお昼寝状態だ。場所は干し草の上か縁側あたりか。からだは斜め上をむいているのに、足先が真横という造形も楽しい。ここでも動物園のシロクマみたいに、ガラスケースの前を往復してしまった。
というような仏様たちが多数、みなさまのお越しをお待ち申し上げています。仏像のみならず、巨大な曼荼羅などもかかっており、大迫力。さすがは奈良博の仏像展だった。