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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

大覚寺に酔いしれる。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 しかし心経宝塔を出てからが、大覚寺の魅力炸裂なのだった。まず、昨日アップした写真のように、境内の景色の素晴らしさったら! また秋の始まりの、太陽がゆっくりと下降していく時間の、光の斜め加減といったらもう!

 石仏然り、

 護摩堂然り、

 池の端然り、

 蓮池然り、

 石垣や有栖川然り、どこを向いてもちょっとした感動体験だ。

 いよいよ大覚寺の内部へ。迷路のような(私がたんなる方向音痴なだけ?)回廊を巡って、宸殿へ。一気にタイムスリップし、『源氏物語』の雅びの世界。なにしろ平安時代天皇がお住まいだった場所ですからね。

 回廊の手すり?の意匠も凝ったものだった。

 これが古典を読むと出てくる「蔀(しとみ)戸」というものだろうか?

 あまりの雅びさに声も出ない。ガイドさんの案内で、金の部分に蝉の装飾があることを知る。

 それもあっちにもこっちにも!

 なぜ蝉なのか? 諸説あるらしいが、蝉は樹液しか摂取しないので、清浄な生き物だという説、蝉は飛びながらおしっこをするので防火のお守りにという説、人の気配を察知すると鳴いて逃げるので防犯のお守りという説。

 まさか蝉のおしっこ程度で鎮火するとも思えないが、昔の人の洒落っ気は素敵だ。個人的な好みをいえば、もう少し年代ものの金になると、蝉もいい味になると思う。

 回廊を廻る。こちらの装飾は時の洗礼を受け、落ち着いた風合いだ。

 ひろく白砂を敷き詰め、帚目を付けた庭。美しさもさることながら、つい日々のお手入れが大変そうだ、という主婦目線になってしまう。ご苦労様です。

 冷泉家でもそうだったが、こちらも橘と対になっているのは、桜ではなく梅。やんごとなきお方は、古式にのっとった中国様式なのか。より古い伝統をチョイスしているのだ。

 威風堂々の唐門(勅使門)。

 お庭の風情がなんとも寛げる。キレイに手入れされているが、ほのぼの感も漂っている。やんごとないお方は「やりすぎない」ということをご存知なのか。

 大沢池が一望できる舞台が! 私の舞台好き心が、思わず浮き立つ素晴らしさだ。風光明媚ななかでの解放感とくつろぎ感、ハンパない! 時間があれば、ここでゆっくりと過ごしたいのだけれど、それはまたの機会に。

 ちょっと変わった紅葉があったので。葉っぱがあかちゃんの手の様に、切れ込みが短く、丸みを帯びていてかわいい。

 せっかくの風情がぶちこわしだが、敢えて言う。この木の向こうにある建物はお手洗いだ。

 その後、建具に描かれた絵などに感嘆し、私のお気に入りだったのは、正寝殿の腰障子に描かれた渡辺始興の「野兎図」。びっくりしたような目がユニークで、見た事の無いようなウサギに一目惚れ。

 最後にかけ込みで寄ったショップでは、もちろん野兎図グッズを購入した。