『親鸞』のベストパートナー
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五木寛之先生の新聞小説『親鸞』完結編が、佳境に入っている。ここんとこ、親鸞上人は、毎日の様に登場され、弟子や東国からの念仏者の問いに応える日々なのだ。
生涯にわたって加筆修正されたと言われている彼の思想の集大成『教行信証』の争奪戦が繰り広げられた後、ここに至って静かに凡夫たちの様々な疑問をほぐして行く親鸞の言葉や心象がシンプルに綴られている。
そしてその挿絵が、ひときわ鋭い。
「弥陀の本願」という掛け軸?がかかり、「(それ以外に)秘密などない」と親鸞の断言が書き足されている。しかしその掛け軸をなおも裏返して覗き見る人が! 裏はもちろん白紙なのだが。おお、何と鋭い。それが昨日の挿絵。
本日は「念仏以外になにか秘密の奥義があるのでは。それを教えてください」と、命懸けではるばる東国からやってきた、熱心で真摯な三人の男達。その三人が、なんと3Dメガネをかけているではないか!
挿絵が、こんなに思想の理解を助けてくれるとは。
以心伝心とはこのこと。五木&山口コンビは、最強のタッグを組んでいたのだった。