四天王寺はあなどれない。
行ってきましたよ、大阪の古刹、四天王寺。いや、本当は、行ってきたとは言えないかもしれない。
だって四天王寺に行って、中心伽藍をすっぽり見残してきたんですから。まさかのメインぬき。
3時には四天王寺を後にしなければならなかったのに(実は、それでも間に合わなかったのだが)、あまりにもじっくりと各箇所を味わってしまったからだ。庭園や宝物展までしゃぶりつくしたのに、中心伽藍を見なかったなんて。かつてない大チョンボだった。もちろん中心伽藍から見るべきだったのだ。
そもそもの間違いは入口からだったような気がする。わざわざJRから谷町線に乗り換えて(ここでも迷ってさんざん人に訊いた)、4番出口から地上に出て、順路としては正解だったのだ。
ホントは5分くらいで行けるのだけど、道すがらカーテン生地屋さんで足を止めてしまい、ワゴンの格安カーテン生地を買ったりしたので、3倍くらいの時間をかけて四天王寺に到着。
到着したのは、極楽門(西大門)はおろか、東大門でも南大門でもなく、一番ちいさな中之門。
シンプルです。
木陰がすずやかで、鳥の声が賑やか。
右手には「地蔵山」があり、お地蔵さん密集地帯になっている。半跏思惟しているお地蔵さま。
朝ドラ『ごちそうさん』の主要人物、竹元教授(ムロツヨシ)のように、ふんぞりかえるお地蔵さま。
「元三大師堂」の前で、くつろぐ鳩たちを
それとなく狙っているのかもしれない白黒斑ノラ猫も、しばし、のほほん気分。
お地蔵様地帯の向かいは墓石と石仏のピラミッドがあり、その奥は霊園になっている。霊園で、ひときわ高い場所にいらっしゃる石仏の大日如来さまが黙想中。
「ビルとほとけさま」、という組み合わせは田舎ではありえないので、あまりにシュールな光景を見て、衝撃を受ける。
そんな衝撃も醒めやらぬまま、おみくじの始祖であり、比叡山延暦寺の中興の祖として知られる大18代天台座主の、本名「良源」、通称「元三大師」、諡号「慈恵大師(じえだいし)」のお堂へ。
(つづく)