極楽への唐門
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前後するけれど、通用門を見る前に立派な唐門をくぐったのを忘れちゃいけない。
まるでお正月のように完璧に掃き清められただけでなく、地面に模様まで描かれるほどに整っていた(もちろん立ち入り禁止)。お坊さんの修行の一環なんだろうけど、思わず恐縮。
見事な透かし彫りに、シャッターを切る人々。もちろん私も!
雲の中から飛び出す龍。
柱から飛び出す獅子。
扉には、精緻な透かし彫り。
「これが目に入らぬか〜!」「ははーっ!(平伏)」。なぜ上様がこんなところに?
元和9年(1623年)に五智光院と本坊方丈を再建したのが、徳川秀忠だったのだ。その先に、そもそも建立したのは、あの後白河法皇。彼が灌頂を受ける為に、灌頂堂として建立されたお堂なのだ。
徳川家代々の位牌を納めており、御霊舎(みたまや)ともいわれているそうだ。
唐門を潜って、正面には五智光院が。しんとして、とても丁寧な手の入った境内だ。
ここには大日如来を中心とする五智如来像を安置し、灌頂堂ともいわれている。五智とは、法界の自性を明確にする智、鏡の如く法界の万象を顕現する智、諸法の平等を具現する智、諸法を正当に追求する智、自他の作すべきことを成就せしめる智の意味。五智如来とは、密教で五智を五仏に配すことをいうそうである。
(つづく)