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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

極楽の一歩手前

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 唐門をぬけ、もうひとつ門をくぐると、正面に五智光院。

 後白河法皇が建立し、徳川秀忠が再建した灌頂堂だ。

 広い境内の両側には大きな樹木が、みるからに手入れが行き届いた、美しい姿で佇んでいる。

 手入れが行き届いているのに、いやみなく居心地がいい。青空とも、よく調和していた。

 これは櫨(はぜ)の樹。乾燥した実を、たくさんぶらさげていた。櫨の実は和蠟燭の原料になるらしい。なるほど、実用的な樹木もあるのだ。

 とても控えめに咲いている山茶花だが、そのへんにある山茶花とは、まるで品格が違う。

 花の付き方も、枝のありようも、造られたかのようにやんごとない。

 しかし、五智光院の扉は、びっしりと固く閉ざされていた。

 以前は上がることもできたらしいが、現在は保存のため、閉ざされているのだ。

 でも極楽浄土の庭への扉は、大きく開け放たれている。

 二つ巴のりっぱな紋がついた、五智光院の屋根を振り返りつつ、

 微妙に弧を描く渡り廊下の屋根で、反目するハトを横目で見つつ、

 渡り廊下のしたをくぐり、

 極楽にやってきました!

 馬には乗っていないので、そのままずんずん歩く。

 (つづく)