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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

悲母観音に新解釈??

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 珍しく9時前に起きてきたKちゃんと一緒に、Eテレの『日曜美術館』を見た。

 本日の副タイトルは「自ら学び 革新せよ 〜日本画家たちの戦い〜」(再放送はパラリンピック放送のため3月23日 Eテレ、20:00〜)。明治になり洋画が流入するが、新しい日本画を模索する画家たちの、暗中模索や奮闘努力のざっくりとした流れ。ゲストはゆる〜いコメントをくれる山口晃さん♡だ。

 地元、滋賀県立美術館の学芸員さんが登場し、所蔵している速水御舟の初期の傑作「比叡山」の習作をお見せしたり、常設展にある小倉遊亀さんが越路吹雪さんを描いた「コーちゃんの休日」の番組での解説があったりして、地元愛の針が大きく振れる。滋賀県出身の小倉さんの作品は常設展示室にあるので、行くといつでも見られるのだ。うれしい。

 翻って現代の日本画が紹介され、そのラストはウルトラマン日本画で描いた村上裕二さん。まんまウルトラマンなので、「え、これって、アリ?」と驚く。でも贔屓の「ダダ」が描かれていたりするので、ちょっと喜ぶ。

 Kちゃんは半分しか見なかったが、冒頭部分で登場する狩野派出身、狩野芳崖の「悲母観音」では、大いにツッコんでくれた。洋画に負けない新しい日本画を切り開く開拓者の芳崖は、苦心の末、傑作『悲母観音』を描いた、という壮絶なナレーションが入っていたはずだが、ほぼKちゃんのツッコミがツボってしまったので、すみません、ほとんど耳に入っていませんでした。

 で、『悲母観音』はこんな絵です↓

http://artscape.jp/study/art-achive/10056639_1984.html

 まず観音さまのお顔(アップ)について。

「お笑い芸人の顔やな。特にあのヒゲは、お笑い以外のなにものでもないわ」

 観音さまの下絵(顔アップ)について。

「劇場にいる、売れてへん芸人やな。まだまだ芸人とはいえんな」

 観音さまを見上げる子ども(顔アップ)について。

「『マジっすかぁ!?』っていう顔やな」

 「マジっすかぁ!?」!! ビンゴだ! 「吹き出し」が子どもの口から出て「マジっすかぁ?!」と書かれているのが、ありありと見えるようだ。

 こんな真摯な絵を、こんな解説付きでみてしまったら、もう後戻りはできない。

 今後『悲母観音』をみるたびに、「マジっすかぁ!?」という幻の声をきくことになるだろう。必死に笑いをこらえながら。