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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

「鬼くすべ」ダヨ、全員習合!

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 本堂はそれほど広くない。ご本尊の十一面観音菩薩さまがお内陣の正面にいらっしゃり、その両側に畳敷きの場所がある。

 2時の開始まで、一般衆生はお内陣の外の左右の畳に、ぎっしりと座って待つ。私が入ろうとした頃にはすでに満員だったが、右端の隅に、なんとか入れてもらえた。ごく一般的な、いわゆる「お寺さん」の本堂より、むしろ小さいくらい。

 堂内は撮影禁止ではないらしく、あちこちでシャッター音。プロの方が一名、お内陣で!始終自由に撮影されていた。

 お内陣の鴨居にずらりとぶら下がっているのは、お餅。お内陣の中からみたら、こんなふう↓

 外から見たら、お餅とわかる。結界か?

 真言宗天台宗のイベントは、なじみが薄いのでワクワクするなあ。法具がずらり。

 

 通路になるだろう本堂の上には、「十一面観音菩薩」と書かれた大提灯が下がっていた。

 私が座っていた場所の横も後も、壁はスキマだらけ。待ち時間の退屈しのぎに覗いて、新緑を眺めてました。煙が籠リ過ぎないように、わざと直さない? 今年は扉を開放して、外の人にも内が見えるようにしたらしいので、さほど籠らなかったけど。

 カーンカーンカンカンカン・・・と、物悲しげな鐘の音が響き渡る。それを合図に、近づいてくる鉦の高い音に続いて、やはりどこか哀愁を帯びた法螺貝の音が聞こえてくる。

 先導の僧侶に続いて、山伏登場。左ウイング手前に着席。

 古びた面をつけた鬼たち参上。左ウイングの奥に着席。

 豆撒き役の厄年の一団が、裃をつけて入場(女子も!)。

 え? ウチワ? なんで? しかもかなりデカイ。あとで判明するが、実は重要な役どころだ。こちらも左ウイング手前に着席。

 七福神あらわる。大黒様は福々しい笑顔で、打出の小槌を振り振り、一般衆生の皆さんに福を分けながら、お内陣右ウイングに進む。大黒さま、役者やのう〜。

 弁天さまに続き、

 恵比寿さんも、釣り竿を担ぎ、

 寿老人も。あの長い頭のカツラは、不器用な造りが逆に、なんともチープで素朴な味を醸し出している。

 七福神の一団は、右ウイングに着席。ありがたくも壮観(ちょっと笑うが)。

 後から知ったのだが、冠束帯の彼は、どうも神職の方だそう。

 僧侶の方のメガネ率、高し。

 散華が始まると、花びらの争奪戦。厳粛な宗教行事なので「こっちにもちょーだい」とおねだりするのは、ちょっと見苦しい。

 右ウイングの僧侶の方々は、若手で清々しい。女声の読経も聞こえる。

 読み上げられるのは、「悪心の鬼も悔い改め、ええ奴になりました」、みたいな文を朗々と。

 護摩木が焚かれ始め、ウチワの人の出番がきました!

 ウチワで酸素を送り、炎を上げ煙がもうもうと堂内を満たしていく。

 バタバタ、ではなくゆっくりと品よくウチワが扇がれる。

 お内陣の外にも煙が流れて、

 燻された鬼は回心し、松明を受け取って観音様のまわりを廻る(らしい)。

 蛍光灯の光も乱反射するほどの煙になってきた。

 一気に鉦や太鼓や法螺貝が急展開に盛り上がり、堂内はフリージャズのような灼熱の空気に変貌する。

 鬼や七福神の方々が退出し、一般衆生の方もほぼ出ていった後も、ウチワの人は、ゆるゆると扇いでいらっしゃいました。ご苦労様です。

 そんな中で、

「これから餅撒きをいたしますが、皆さんが全員外に出てから始めますので、ゆっくりお出になってください。時間に余裕がありますので、ゆっくりで大丈夫です」

というアナウンスが、繰り返し入る。