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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

法然院の特別公開と椿

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 京都駅からバスターミナルで3本待ち、やっと銀閣寺ゆきのバスに乗り、銀閣寺の手前で下車。山に向かって坂道を上り、「哲学の道」を横切り、法然院へ。

 

 春休みでもあり桜も美しい季節なので、哲学の道は大賑わいだったが、少し外れると、めっきり落ち着いた空気になる。

 まるで禅寺のように禁止事項が並ぶが、鹿ヶ谷は法然上人が念仏を広めていた念仏道場だった場所だ。ここにくると、いつも「んんっ?」と思う。浄土宗らしからぬ石碑だ。

 絵本作家の長谷川義史さんが、テレビ番組のロケでここにいらっしゃったとき、「まるで風景を切り取ったみたいや。しかもこちらが影の世界で、向こうが光の世界」とおっしゃっていた山門。まさにそのとおり。

 ニンニクも酒も肉も持ってませーん。はいりま〜す。

 はい、「向こう側」からみた風景↓

 盛り砂に左手には流水の模様。この盛り砂は、「白砂壇」と呼ばれるものらしい。盛砂の間を通ることで、心身を清めて浄域に入るのだそう。

 右手にはこの季節に相応しく、桜の模様。

 白壁の蔵のむこうに石塔。

 池を渡ります。

 一筋の水が落ちて、落ち椿が一輪。風情があるけど・・・

 水はどこから? マジック!?

 学生時代には何度となく来ているけど、伽藍の中に入るのは初めて。受付その他のスタッフさんは、きっと関係大学のアルバイトさんたち。

 入場料500円で、まずは本堂へ。きれいに整えられ、ほどよく薄暗い本堂には、すっきりとシンプルに、阿弥陀如来像、観世音菩薩像、勢至菩薩像が並ぶ。その前の床には、二十五菩薩を表す白い椿の花が、きちんと置かれていた。これを「散華」というらしいことは聴いた事があるが、実物を見たのは初めて。ふっと心が静まる本堂だった。

 

 廊下の外には、珍しい斑入り(絞り?)の椿が。

 方丈で息をのむ。一目見たらすぐに、堂本印象先生の作品と判る襖。斬新だわ〜♪ 引手が金色で堂本印象ワールドの前衛デザイン。もちろんホンモノの写真撮影はできないので、廊下にあったパネル写真です。

 お部屋は写真禁止だけど、野外の方丈庭園(善気水)は、「存分に撮ってください」とのことで、お言葉に甘えて。

 

 奥の灯籠は、この庭園で一番古いものだとか。平安時代だったかな(うろ覚え・汗)

 ずいぶん久しぶりに聴くシシオドシの音。かーーーん!・・・という音は、岩の奥から聞こえていた。

 モミジの若葉も出始めている。ところで、不思議な物件を発見した。

 

 浄土宗のお寺なのに・・・鳥居!? 法然上人って、祈祷も占いも否定してなかったっけ? 元々が神社で神仏習合のなごり、というのは、この場合考えにくいんだけど?

 という質問を事前に予想してか、襖絵や庭園の説明をしてくれたバイトとおぼしき学生さんは、レギュラーな説明のあとで、「何代目かのこの寺の住職が『趣味で鳥居をつくられた』」とおっしゃった。(学生さんはきちんとその住職が何代目のなんという方かおっしゃったのだが、悲しい事に私が忘れてしまった)

 いやいや、お寺の境内に「趣味で鳥居」って、それは反則では(汗)

 というわだかまりを抱えつつも狭い回廊を回り込むと、そこは椿の園。↑これは「白芯卜伴(ハクシンボクハン)」という品種らしい。初めて見ました。

 可憐な乙女椿↑

 俯き加減の八重の花びらなのは、紅八重だろうか。

 椿の園のルートを折れると、またもや中庭が。

 そしてその先には、さっきの椿の園が、ホンの前触れにすぎないことを思い知る場所があったのだった。