以前の「紙魚子の小部屋 パート2」はこちらhttp://blog.ap.teacup.com/tanukitei/から、 その前の「紙魚子の小部屋」はこちらhttp://ivory.ap.teacup.com/tanukitei/から。

紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

「ジーザス・クライスト・スーパースター」

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 ずいぶんとんだけれど、劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター」についても、まだいくぶんか覚えているうちに書かなくては。

 お昼の部だし、「京都劇場」は駅中だしでアクセスは申し分無い。演劇やコンサートは、ほとんどが夜の部だから、こういうチャンスに行っとかないと。

 私はちょっとだけケチってA席にした。2階席だ。遠いなりに役者さんの表情はなんとかわかるし、舞台の全体把握はしやすい。

 開演前から幕はあいており、舞台のセットは薄暗い中でも見える。奥と端にベージュの石がごろごろしていて、全体がホコリっぽいような砂色。奥が小高くなっているかんじ。それだけ。

 登場人物もユダが濃いグレーのストンとした服、ジーザスは白っぽいベージュがかった服、民衆はボロのような地面と同じ色の服。劇団四季の舞台とは思えないような地味な衣装だ(笑)

 そんな地味な舞台を、スポットライトなどの照明を使い演出する。スポットライトだから、当然全体は明度を落とした薄暗いような舞台になる。内容も重くて暗いけど、演出的にも暗めなのだ。

 唯一、ヘロデ王が赤いマントを翻しながらジーザスを小馬鹿にして歌うシーンはきらびやかで圧巻。ってヘロデ王パーマンか? しかもヘロデ王の人、やたら歌が巧くて声量があり、表現力がハンパない。その盤石の演技力に、「劇団四季」的なものが集約されていた。

 あとユダが死後、「私はイエスがわからない」を楽しげなロックバージョンで歌うシーンがあるのだけど、地獄に堕ちた者らしく曲調もヘビメタ風で、衣装もそれっぽい。バックコーラス(位置的にはバックではなく、端と端なんだけど)の女性トリオつき、というのも面白い。この場面も好き。

 でもそれがユダだと知ったのは、帰りの電車でプログラムを開いて読んだあと。リアルタイムでは、えっ? あのひと、誰? ユダ? でも彼、死んだしなー?? と脳内は混迷を極めていた。つなぎの科白もナレーションも説明もなく、歌でつないでゆく構成になっているからだ。これは予習しておくべき舞台かもしれない。ほかにも不明箇所がいくつもあった。

 つなぎ目なしに一幕暗転のみで話が進むし、登場人物の背景とかもわからず、悶絶する箇所も。ローマ帝国の支配者側のひとり、ミッキーマウスみたいな帽子の、赤いマントの人が、演技の感じが白井晃さんぽくてすごく印象的だった。でも誰(もちろん役名。役者さんの名前はみんな知らない)だったのかは、いまだわからず(汗)

 イケメンの線の細い神経質そうなキリストにハラハラし、いまひとつピンと来ない(この舞台の)ユダの苦悩に「んー?」とすれ違い・・・。

 でも神殿から商人を追い払うキリストのキレ方と、磔刑のシーン(体力的にも大変だろうなー・汗)が素晴らしい。商人たちにキレるキリストは、「ア゛ーッ!」と、ものすごく高いオクターブで叫びながら登場していた。この場面の話をKちゃんにしたところ、

 「それは『にしおかすみこ』やな。ア゛ーッ!」と鮮やかに切り返された。

 どうしても「聖☆おにいさん」のイメージがまとわりつくので、困ったのですが・・・ユダに感情移入しづらい原因はこれなのかも(「聖☆おにいさん」のユダは少年のような体型だけど、劇団四季のユダは、割とガッチリした人だったので・汗)