初詣は油日神社
山中の道をいくつか走り、トンネルを抜け、川も渡る。片道40分のなかなかのドライブだ。
雪景色の田んぼと、晴れたり曇ったりする冬の空を見ながら、さみしいような風景の中を走る。電信柱や鉄塔さえも幽玄だ。
近代化の波が及ばない、懐かしいような風景でもある。白洲正子さんがみえたとき(昭和の中頃か?)と、そんなには変わっていないのかもしれない。
油日神社は白洲正子さんが絶賛していたので、20年前から行きたい行きたいと願っていた。願いがかなって3年程前に夫に連れて来てもらったら、彼もすっかり油日神社の魅力に取り憑かれ、以来、お正月になると必ずここに来ている。
蛇行する道に入り、
参道の灯籠を横に見たら、まもなく到着だ。
駐車場の横で、長谷川等伯の描く「松林屏風図」そっくりの松が、お出迎えしてくれた。
少し戻って、扁額の掛かる木の鳥居を仰ぐ。
榊や竹が飾られてお正月バージョンだ。
油日神社は社殿、拝殿、回廊が国の重要文化財だが、回廊を左右に持つ、この威風堂々の楼門も、文句無しに国の重要文化財だ。
しばし、見上げる。何度見てもスバラシイ。
拝殿前の門松を楼門より眺める。平安時代の文献に名前が記載されているような古刹である。ただし、楼門も回廊も室町時代にできたものらしい。大河ドラマ『平清盛』のロケ地にもなっていて、ドラマの画面に油日神社の境内が登場したときには、夫婦で(いや、私が?)大興奮だった(笑)