「京のよすが」 その2
さて「京のよすが」は、個々のお菓子について。
勝手に名付ければ「梅とウグイスを待つ」コーナー。
みどりのシュガースプレー(ではないけど)をまぶしたような求肥餅の中には、優しい甘さの餡が入っている。これは鶯餅を模したものかも。だから相棒は梅。寒天と砂糖を使っている摺り琥珀の和菓子だ。外は砂糖のしゃりっ、中は甘く柔らか。
ピンクでてっぺんが黄色の丸いお菓子は、松露といわれる和菓子らしい。餡を摺り蜜にくぐらせて作るのだとか。「松露」という風情ある名前だけど、稀少なキノコ(高級料亭に出没しているらしい)をイメージして作られたお菓子だとか。
この松露とセットになっている求肥は、固くもなく柔らかくもなく絶妙な歯ごたえで、かなり私好み。餡はたぶん柿。だって底の原料名に「柿」ってあったから(笑) 形状的にも季節的にも、干し柿を模しているのかも。
上品なパステルグリーンと白の四角い落雁は、「打ち物」と呼ばれるらしい。寒梅粉やみじん粉*に砂糖を加えて、木型で型打ちするからだとか。見た目は私の不得意分野だけど、これはさすがに上品。甘さも控えめで、お茶に合いそう。
真ん中、半畳にあたる部分にあるのが、お馴染みの金平糖。しかし、お馴染みのものよりぐっと小振りで、しかもお口で崩れる儚さは、まったくお馴染みではない。夢見る金平糖です。
薄く四角いお菓子は、どうも中に「すはま」がサンドされている様子。センパイのおすすめ。砂糖蜜の松がお洒落で、独特の不思議な食感。
パステルグリーンの溶岩石みたいなお菓子は、たぶん「さざれ石」を模したものかも。「君が代」の歌詞にあるあれです。ついでに言えば、滋賀県の多賀神社にもホンモノ?のさざれ石があります。千代に八千代に平和が続きますように、と平成天皇も祈っておられると思います。実はロックなお菓子かも。岩だけに(石だけど)。
飴細工のような笹は「有平糖(あるへいとう)」という日本の飴。お茶席で音を立てないように、くにゅくにゅした食感。春を待ち遠しくおもう花たちは、和三盆のしとやかな味のお干菓子。
ということで、見事な新春のハーモニーだ。色彩も形も。ちなみに、この「四畳半」はなんと2段重ねなので、まるまる一段お土産にいただくことになった。毎日が甘い誘惑だ(笑) 甘いものは午前中に摂取することにしているので、お昼まではあるていど誘惑されよう。
千円の小型「京のよすが」もあるそうなので、次のシーズンが楽しみだ(買いに行くのか?)
注 *餅を延ばして鉄板で焼き、挽いて粉末にしたものが「みじん粉」、みじん粉を篩(ふるい)にかけ、より細かくしたものを「寒梅粉(かんばいこ)」というそうです。舌触りと香りがいい新米が使われることが多いとか。この新米を粉に挽く時期が、梅の咲く時期にあたるので、「寒梅粉」と呼ばれています。