奥の院で襖絵三昧。
ささやかな枯れ山水を眺めながら、奥の院へ。
あまり見たことの無いような葺き方の瓦屋根。もしかしたら、高度な職人業を駆使しているのかも。
ささやかだけど、非の打ちどころの無いほど手入れされたお庭だ。
無心に泳ぐ亀のようにも見える。
渡り廊下フェチとしては、うれしい。わくわく。
向こうには、古そうなガラス戸がついた廻り廊下。この風情が好き。
入口にも木枠のついたガラスの扉。すてきだ。普段は非公開の場所「宸殿(しんでん)」は、貴賓室のある建物で、特別なお客様をもてなすお部屋がある。貴重な襖絵や屏風もある建物だ。普段は関係者すら入れず、「特別なお客様」がみえた時に、そとからちらりと覗くのが精一杯だとか(となりで知り合いの僧侶を案内されていた智積院の職員さんが話されていた。寺院の職員さんだから、むろん彼も僧侶である。淡々とした語り口がユニークな方だった)。
ところで智積院の「京の冬の旅」のチケットがこれ↓
堂本印象画伯の襖絵だ。タイトルは、『婦女喫茶図』。椅子とテーブルだが、こういう茶の湯の方式もあるのだ。「立礼(りゅうれい)」と呼ばれる。
しかし、こういう弾けきった絵を襖に描くなんて、さすがは堂本印象画伯だ。アバンギャルド!
そして引き手が、飲み物の容れ物のようにも見える。狙ったのか、堂本先生? 智積院の寺紋・桔梗の図柄を傘に入れるところなんかも、お茶目。
こちらは「松桜柳の図」↑ いかにも日本的な主題なのに、大迫力だ。さすがの堂本先生の、「芸術は爆発」ぶりに大満足。