H氏の目的は
さすがに安藤忠雄さんの建築物は、クールなモダンデザインだ。透明のアクリル製のイスなんかが備品で置いてあったが、よく合っていた。ゆるいカーブを描くコンクリートの壁は地下2Fまである。
巨大なパッチワークのようなガラス窓がある。記念館のシンボルとなっているようで、パンフレットの表紙になっていた。(以下の写真はすべてパンフレットより)
まずは入口近くで、コンクリート壁面に作り付けられた木製書架を見下ろす。これはもう、息をのむ圧巻。そのあと入口近くに座り、記念館紹介ビデオを数分みる。
「あれどうやって本をとるんやろ?」と問うH氏に
「なんか取り方あるんやろな」とにべもない返答をする私。
たしかに見ている分には圧巻なんだけど、二度と手の届かない場所に置かれた本の運命は気になるところだ。掃除はどうする? 本を引き出す為のそれらしい段々も設置されていたが、たとえ可能だとしても時間がかかりそう。本って、「いまそれ必要! なるべくはやく」っていう物件だから、大量の蔵書は悩ましいところだ。
その後地下に降りて、司馬さんに関する資料や、手近な場所にある本の背表紙をみたり、司馬さん(と著書)についての10分余のDVD?を時間をあけて2本、係の方の案内に誘われてホールでみる。
本棚の背表紙の箇所では、H氏お気に入りの「東洋文庫」について夫婦で語る。
ところでH氏に、なぜ司馬遼太郎記念館に来たかったのかを聞いてみた。すると「あの書架をみたかっただけ」。
えっ!? それだけ??
しかも驚いた事に、彼は司馬遼太郎の本を読んだ事が無いという。うそうそ!
という私にしても小6から中1にかけて、当時ハマっていた大河ドラマと平行して「国盗り物語」を読んだくらいだ(汗) 映像とリンクしていて、かなりインパクトを受けた物語だったが、はるか昔の話である。国民作家なのに・・・ふたりいても1作品しか読破してないとは(汗)
おわびのしるしに1冊買って帰りました。『以下、無用のことながら』