雪のニコライ堂
お茶の水駅から徒歩でニコライ堂へ。遠くはないけれど、溶けかけの雪で足元がぐちゃぐちゃなので、四苦八苦しつつ移動した。
テレビで見た松本竣介の「ニコライ堂」は、戦後の焼け跡にぽつんとあった孤高の聖堂だったが、いまやビルの狭間に異次元空間を作っている。
「富士山に月見草」以上に、ニコライ堂には雪がよく似合う。何年もニコライ堂の近くに住んでいるMさんに言わせれば、これはかなりレアな風景だそうだ。
ということは、かなりラッキーな出会いだったということになる。予定を急遽変更してまで、しかも思いつきで見に来た甲斐があった。こころよく私の気まぐれにつきあってくれたM夫妻に感謝である。
Nの文字が裏返っているからロシアの文字なのだろう。読めないけど。
残念ながら拝観時間外だし、ミサの最中だったので拝観は、なし。
通称「ニコライ堂」の正式名称は、「東京復活大聖堂」。「ニコライ堂」の通称は、日本に正教会の教えをもたらしたロシア人修道司祭聖ニコライにちなむ。
原設計はミハイル・シチュールポフ、実施設計と監督はジョサイア・コンドルによる。
コンドルはあの有名な建築家ですよね。ロンドンからやってきて、鹿鳴館、現・旧岩崎邸庭園洋館および撞球室などを作り、河鍋暁斎に師事し日本画を学んだほか、日本舞踊、華道、落語にも大いに親しんだ趣味人。
彼はまた、工部大学校(現・東京大学工学部建築学科)の教授として辰野金吾ら、創成期の日本人建築家を育成し、明治以後の日本建築界の基礎を築いた。
では雪のニコライ堂へ! 「かっこいいー!」を連呼する一同。
ん? ドームの上にハシゴ?
ふと子どもの頃に見た「パルナス」のCMソング「おとぎの国のロシアの〜♪」を思い出したりして。今やロシア国家が「おそロシア」としか認識できないことを考えたら、ものすごいギャップである。
なるほど、子どもの頃の刷り込みは、突如現れるものらしい。このデザインに妙に懐かしさを感じるのはそういう訳なのか。