遠望台まで。
受け付けを済ませて、本坊へむかう。
んん!?
いきなり奇妙な衝立に遭遇する。そうか、なかなか期待できそうな場所だ(笑)
それにしても、もちろん改修はされているだろうけれど、古さびて凝った瓦と懸魚だ。懸魚には鶴が舞っている。ここにも輪飾りが貼付けてある。
「下乗」の碑。小野道風の直筆・・・と伝えられている。「馬を下りる」の意らしい。
屋根の端がぴんと跳ね上がったお堂。
本坊の横手から庭園に続く道へ。
うわあ!
池の中に飛び石! これは斬新!
古式の庭園はこうなのか?
驚きを隠しきれず佇んでいたら、お掃除をされていたじいさまが、「お参りは済みましたか?」と訊かれる。まだだというと、「こっちの道から行くと、楽ですよ」と教えてくださった。近道らしい。せっかくなので、そのまま登って行く。庭園はまた帰りにしよう。
「楽ですよ」というのはじいさまの主観に違いなく、私にとっては息切れする段々だったが、山の中を歩くのは、やはり心地いい。
思わず豪雨が来ない事を祈らずにはいられない、むき出しの根っこ。
高くそびえる梢を見上げる。
美しく苔むす地面と、美しい石灯籠がベストマッチ。
絡み合う木の間からは羊歯が出ていた。
まずは遠望台に到着。
沢山の説明があるので、休憩がてら読んでみる。
ここで信長は安土城をつくることを思いついた・・・らしい。
そもそもは1400年前に、高麗の僧・慈恵上人の案内で聖徳太子がこの地を訪れた事から始まった。日本に先進技術や文化をもたらしてくれた渡来人たちのために、太子が建てたお寺が百済寺なのだ。
この遠望台の真西には比叡山があり、お彼岸には夕日が比叡山に沈む光景が見られる。その向こうが、渡来人の故郷「百済」なのだ。そして今も昔も交通の要所でもある。