赤後寺の鐘楼
ここではお二人のお世話役の方が、授与物販売とともに説明もしてくださった。その中で、パンフレットには書かれていない、面白い話がある。
昔、この寺には33体の観音様がいらっしゃったそうだ。村人が病気やお産のときに、それぞれの家庭が観音様をお借りし、快癒後、産後にはお寺にお返しする、というシステムがあったそうだ。
観音様の貸出し!! 素晴らしいシステムである。「観音の里」というのは伊達じゃない! で、その観音様たちがどうなったのか、どうしてそれが廃れてしまったのか・・・という話は聞きそびれてしまった。
お堂の隣には鐘楼があった。
えっ!!
この遠目からもわかる細工の素晴らしさは、一体!?
お世話役の方に聞くと、「すばらしいでしょう?」と我が子を褒められた父親のように、顔をほころばせてらした。村人自慢の鐘楼なのだ。
しかもおことわりすれば、自由に撞かせてもくださる。あとで読書会有志の方々が、列をなして撞かれていた。さすが好奇心旺盛な昭和の乙女たちだ。
気になる彫り物のモチーフは「猿」。日吉神社の中のお寺だからだろう。
なんだか西遊記に登場する「蟠桃園」で、桃を食べ荒らす孫悟空と仲間たちのようにも見える。
鐘楼は江戸時代に作られ、土台の石垣は崩れ始めたため、近年造り直されたもの。しかし、一部分は残されているので、往時を偲ぶことが出来る。
その前では思わず立ち止まり、誰もが見上げてしまう杉の巨木。
日吉神社のご神木だろう。
こちらが社殿。
お参りをして、石段をくだる。
鳥居をくぐり、駐車場の近くでトイレタイム。
その間、私はトイレ以外にも、寺院があることを発見する。
「真宗大谷派 冨永山 長照寺」
その佇まいに惹かれ、思わず足を踏み入れる。
写真を拡大しないとわらからないけど、壁面の彫り込みが細かい!
どこがどうというのではないけど、バランスの取れた見好い感じが素敵。なにげに作り込んでいる建物なのかも。専門家ではないのでわからないけど。
バスの時間が来て、次のポイントへ出発!